奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス領域

分子医学細胞生物学(末次研究室)

研究内容

脂質膜の形態形成、シグナル伝達における役割

細胞膜上にはクラスリン被覆小孔、カベオラ、フィロポディア、ラメリポディアなど様々な微細構造が存在します。これらの微細構造は、受容体などの生理機能に重要であるだけでなく、その形態形成は細胞の貪食作用や遊走運動に重要です。近年の研究は、それぞれの微細構造に対応するBARドメインスーパーファミリーに属するタンパク質が、タンパク質の立体構造を「鋳型」として細胞膜の曲率を制御し、さらにその膜曲率が細胞内シグナル伝達や、微細構造を裏打ちするアクチン細胞骨格の形成に重要な役割を果たしていることを示しました。

脂質膜は、生命の定義の根幹をなす細胞の内外を決定する物質で有り、またすべての細胞内構造は脂質膜によって形成されます。 それに対して、脂質結合タンパク質は全タンパク質の中の1%以下程度という少数しかしられていません。 従って脂質結合タンパク質は、全体のうちのまだ氷山の一角しか明らかになっていないと考えられます。
本研究室では脂質とタンパク質の相互作用、その結果としての生命現象を理解するため、脂質結合タンパク質の機能を細胞生物学・生化学・構造生物学を用いて解明します。この中には、細胞のがん化や初期化における役割の解明も含まれます。同時に、薬の開発や疾患治療のターゲットを提供できると考えられます。

  1. これまでに研究してきた、膜の鋳型であるBARドメインタンパク質や,アクチン細胞骨格による細胞構造構築を深く理解するための制御機構の研究を行います。
  2. これらのタンパク質の細胞のがん化や初期化における役割の解明を行います。
  3. 脂質結合タンパク質は全タンパク質の中のわずかしかしられていないことから、新規な脂質結合タンパク質の探索を行います。
  4. 脂質結合タンパク質の立体構造解析を行い、脂質膜と相互作用する機序を同定します。
  5. 電子顕微鏡や超解像顕微鏡で明らかにする細胞内の微細局在と併せて、細胞の持つ微細構造構築の原理を解明していきます。

研究の流れを図に示すと次のようになります。

 

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