神経系の成り立ちを解き明かし、難病治療の基盤を創る
- 演題
- 神経系の成り立ちを解き明かし、難病治療の基盤を創る
- 講演者
- 笹井 紀明 博士(バイオサイエンス領域 発生医科学研究室 准教授)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2025年9月9日(火曜日) 15:30~16:15
- 場所
- バイオサイエンス大講義室 (L11)
- 内容
発生期や成体の神経幹細胞は、時期や部位に応じて多様な神経系細胞へと分化し、脳や脊髄などの中枢神経系を形成する。この分化の過程は、細胞外シグナルとクロマチン状態、転写因子のネットワークの協調によって制御されている。本セミナーでは、クロマチン修飾因子Phc1によるES細胞の分化制御、Sonic Hedgehogのシグナル活性に依存した視床下部や脊髄の細胞運命決定やパターン形成機構に関する研究成果を紹介する。さらに、網膜色素変性症モデルを用いた研究から、眼疾患の初期段階に変動するシグナル因子を同定し、それを標的とした新たな治療戦略を提案する。このように、本セミナーでは分子→細胞→組織→個体の階層を横断した知見を通して、神経系構築の原理や、その知見を難治性疾患の治療法確立へとつなげる展望を示す。
- 問合せ先
- 植物代謝制御
出村 拓 (demura@bs.naist.jp)