NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

酵母のUnfolded Protein Response 〜いかに知って、いかに活かすか?〜

演題 酵母のUnfolded Protein Response 〜いかに知って、いかに活かすか?〜
講演者 木俣 行雄 博士 (バイオサイエンス領域 微生物インタラクション研究室 准教授)
使用言語 日本語
日時 2024年12月3日(火曜日) 13:30~14:15
場所 オンライン
内容

小胞体は分泌タンパク質の折り畳みや脂質の合成を担うオルガネラである。
小胞体の機能不全は小胞体ストレス応答と総称され、構造異常タンパク質の小胞体への蓄積を伴うことが多い。小胞体ストレスから細胞を守るための遺伝子発現変動がUnfolded Protein Response (UPR)であり、そのメカニズムの解明においては、歴史的には出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeを用いた研究が先行してきた。演者はこれまで、UPRのトリガーとなる小胞体ストレスセンサー蛋白質Ire1の機能に迫る研究を進め、小胞体に蓄積した構造異常タンパク質をIre1が直接的に感知すること、また、膜の異常はそれとは異なるメカニズムによりIre1を活性化することなどを明らかにしてきた。UPRにより小胞体の機能が強化されるので、最近では演者は、研究の応用展開として、非ストレス時でもUPRを惹起することにより、分泌タンパク質や脂質を増産する試みを進めている。UPRの人為的な惹起は、UPRによる大規模な遺伝子発現変動が引き起こす現象に迫ることにも役立つ。

問合せ先 遺伝子発現制御
別所 康全 (ybessho@bs.naist.jp)

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