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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Seminar セミナー情報

生命科学研究における大航海時代の幕開け

演題
生命科学研究における大航海時代の幕開け
講演者
渡邊 謙吾 博士 (Institute for Systems Biology K. Carole Ellison Fellow in Bioinformatics)
使用言語
日本語
日時
2024年8月5日(月曜日) 10:30~11:15
場所
Rethink バイオサイエンス大講義室 (L11)
内容

 近年,日常生活の様々な場面でビッグデータ・AI技術が活用され,この潮流は生命科学研究にも波及している.網羅的測定データを用いて生命現象を体系的に理解する試みは2000年代には始まっていたが,結局大部分の情報を捨てて特定の上位分子に着目するなど,部分的理解に収束した研究が多かった.これは複雑かつ動的な生命システムが我々ヒトの認知・処理能力を超えていることが一因に思われる.しかし20年以上の科学技術の進歩を経て,複雑かつ動的な対象を理解する舞台が整い,生命科学研究は大航海時代へ突入したと感じる.
 もともと発表者は生化学・分子生物学の手法を用いて細胞のストレス応答を研究する,いわゆるwet研究者だった.しかし,分子からシステムへ,仮説駆動からデータ駆動へと大胆な分野変更の舵を切り,この数年はシステム生物学・機械学習の手法を大規模データに用いて,肥満や老化に関するdry研究を行ってきた.今後は,病気よりも健康状態の生体分子システムに焦点を当て,wetとdryを融合させた次世代型生命科学研究を展開する.
 本セミナーでは,これまでのwet研究1,2とdry研究3を紹介し,今後の研究構想を提示する

問合せ先
遺伝子発現制御
別所 康全 (ybessho@bs.naist.jp)