コケ植物の受精卵における遺伝子発現制御の動態
- 演題
- コケ植物の受精卵における遺伝子発現制御の動態
- 講演者
- 久永 哲也 博士 (Gregor Mendel Institute Post-doctoral fellow)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2023年12月25日(月曜日) 16:30~17:15
- 場所
- Rethinkバイオ大講義室(L11)
- 内容
陸上植物は、半数体世代のみが多細胞化する緑藻類の祖先から進化してきたが、その際に多細胞化する倍数体世代(胚)を獲得した。 半数体世代と倍数体世代の体制は大きく異なり、したがって受精および減数分裂の際に、多細胞発生プログラムの切り替えが起こると考えられる。このような切り替えには大規模な遺伝子発現のリプログラミングが伴うと考えられる。私はこのようなリプログラミングを制御する分子機構を解明するために、コケ植物ゼニゴケの受精卵をモデルに用い研究を行っている。これまでに、配偶子に由来するKNOX/BELL転写因子がヘテロダイマーを形成することにより受精卵における雌雄前核の融合を促進すること、および受精卵において精子由来の核がポリコーム複合体により抑制されることなどを発見し報告してきた。本セミナーではこれらゼニゴケの受精卵で起こる一連のイベントを概説し、これらの制御がコケ植物の生殖隔離や種分化に果たす潜在的な機能について議論したい。
- 問合せ先
- 遺伝子発現制御
別所 康全 (ybessho@bs.naist.jp)