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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Seminar セミナー情報

ハマウツボ科寄生植物における吸器発生の分子基盤

演題
ハマウツボ科寄生植物における吸器発生の分子基盤
講演者
若竹 崇雅 博士(農研機構遺伝資源研究センター 特別研究員)
使用言語
日本語
日時
2023年1月16日(月曜日) 10:00~10:45
場所
Rethinkバイオサイエンス大講義室(L11)
内容
一般に植物は生態系の一次生産者として知られるが、他の生物から栄養を獲得する能力を進化させた種も少なくない。寄生植物は他の植物から栄養を奪う能力を持った植物で、被子植物の約1%を占める。その中でもハマウツボ科に属する種は、アフリカや地中海沿岸地域で、穀物や野菜に寄生して農業に甚大な被害をもたらしている。しかしながら、その寄生メカニズムに関する分子生物学的知見は少なく、未解明な部分が多く残されている。
私はこの寄生メカニズムの解明を目指して、ハマウツボ科寄生植物のコシオガマを用いて研究を行ってきた。本セミナーでは、根に形成される寄生器官である「吸器」の発生メカニズムの分子基盤を、根組織のリプログラミング(1)、YUCCAを介したオーキシンの生合成(2)、PIN・LAX によるオーキシン
輸送(3)の3点から議論する。後半では、吸器発生以外の寄生植物に関連する研究にも触れながら、今後の研究の展望や、寄生植物の持つ能力の応用に向けた可能性について議論したい。
問合せ先
植物成長制御
梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp)