ミトコンドリアにおけるβバレルタンパク質膜挿入装置SAM複合体の構造研究
- 演題
- ミトコンドリアにおけるβバレルタンパク質膜挿入装置SAM複合体の構造研究
- 講演者
- 竹田弘法 博士
(理化学研究所 生命機能研究センター 基礎科学特別研究員) - 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2022年1月11日(火曜日) 14:00~15:00
- 場所
- バイオサイエンス棟 大講義室(L11)(Zoom にて同時配信)
- 内容
ミトコンドリアは、ATP産生に重要な、真核生物に必須のオルガネラです。ミト コンドリア外膜には β バレル膜タンパク質が局在し、ミトコンドリア内外の物 質輸送、並びにミトコンドリアの恒常性維持に重要な役割を果たしています。こ れらをミトコンドリア外膜に挿入するのが、タンパク質膜挿入装置 SAM 複合体 です。SAM 複合体が基質タンパク質を膜へ挿入するには、膜貫通領域であるβ ス トランドを順番に膜中へ組み込むと同時に、中央に親水性の大きなチャネルポア を形成することで β バレル構造を組み立てる必要があります。このような複雑 な反応が、どのように SAM 複合体によって触媒されるのかは大きな謎でした。 今回は、クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析によって明らかになった、SAM 複 合体によるタンパク質挿入メカニズム及び膜挿入が完了した β バレル膜タンパ ク質の解離メカニズムについて、最新の研究成果を紹介します。
- 問合せ先
- 構造生命科学
塚﨑 智也 (ttsukaza@bs.naist.jp)