寄生植物の寄生の分子機構解明に向けて
- 演題
- 寄生植物の寄生の分子機構解明に向けて
- 講演者
- 吉田 聡子 博士
(奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構(先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域)特任准教授) - 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2020年7月13日(月曜日) 10:00~11:00
- 場所
- ZOOMによる電子開催(参加をご希望の方は、別途ZOOMのURLをお知らせいたしますので、メールにて bs-office@bs.naist.jpまで参加希望の旨をご連絡ください。)
- 内容
通常の高等植物は、葉を広げて光合成を行うことで炭素を固定し、根から無機栄養を吸収して生育する。寄生植物は、高等植物でありながら、他の高等植物に寄生して水分や栄養分を獲得して生育する特殊な生存戦略を身につけている。全被子植物の約1%にあたる4500種ほどの寄生植物が存在することが知られており、中には、作物に寄生し、甚大な農業被害をもたらしているものもいる。ハマウツボ科寄生植物であるストライガは、年間10億ドルを超える農業被害額をもたらすことが知られており、寄生雑草対策は世界の農業における喫緊の課題である。しかし、寄生植物の寄生の分子機構の解明はあまり進んでいない。その理由の一つとして、寄生植物には分子生物学的な研究に適した材料が存在していなかったことが挙げられる。私たちは、日本に自生するハマウツボ科寄生植物コシオガマを用いたモデル実験系を構築し、分子遺伝学的なアプローチから寄生機構の解明に取り組んできた。本セミナーでは、コシオガマの変異体解析から明らかになった寄生植物と宿主植物の間の植物間コミュニケーションにつ
いて紹介したい。また、寄生器官の形成シグナルやその形態形成について、本学で取り組んでいる最近の研究について報告する。- 問合せ先
- 植物細胞機能研究室
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)