NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

葉酸はSeptin2をメチル化することで神経管閉鎖時の一次繊毛形成を制御する

演題 葉酸はSeptin2をメチル化することで神経管閉鎖時の一次繊毛形成を制御する
講演者 鳥山 真奈美  博士(大阪大学薬学研究科 特任研究員)
使用言語 日本語
日時 2019年1月31日(木曜日) 15:30~16:15
場所 L12会議室
内容

神経管は中枢神経系の原基である。その成り立ちはダイナミックであり、板状の神経版が湾曲後、左右の神経隆起が接着し管構造ができることで完了する。神経管閉鎖が異常となると神経管閉鎖障害(NTDs)と総称される様々な先天性疾患を発症する。神経管閉鎖障害は最も多い先天異常であるため、予防法を開発することは医学的に重要である。妊娠初期における葉酸(ビタミンB9)の摂取はNTDsの発症頻度を減らし、様々な分子のメチル化に寄与することが報告されているが、どのようなメカニズムで神経管閉塞を制御しているのかについては不明な点が多い。
我々は今回、葉酸トランスポーターであるSlc19a1のコンディショナルノックアウトマウスを作製し、この胎児マウスはNTDsを一定の割合で発症すること、またSlc19a1ノックアウト細胞や薬理学的にメチ ル化経路を抑制したツメガエル胚では一次繊毛の形成が顕著に抑制されていることを見出した。細胞骨格タンパク質であり一次繊毛の拡散障壁として機能するSeptin2は葉酸存在化でメチル化されており、質量分析法でメチル化部位を同定した。中でもGTP結合部位に存在するK183の変異体はGTP結合能を減弱させ、その結果Septin7、Septin6との複合体形成を抑制することが分かった。
これらの結果より、葉酸はSeptin2を適切にメチル化することで一次繊毛の形成を制御し、神経管閉鎖に寄与している可能性が示唆された。本セミナーでは様々な生理機能をもつ一次繊毛の役割と今後の研究の方向性について議論したい。

問合せ先 植物細胞機能
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)

セミナー情報一覧へ