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ゲノム重複で生じたパラログ遺伝子間で保存する起源が古いエンハンサーはなぜ進化的に維持されてきたのか?

演題 ゲノム重複で生じたパラログ遺伝子間で保存する起源が古いエンハンサーはなぜ進化的に維持されてきたのか?
講演者 隅山 健太 博士(国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部門)
使用言語 日本語
日時 平成22年7月28日(水曜日) 16:00~
場所 バイオサイエンス研究科 大セミナー室
内容

遺伝子間領域には非常に多くの進化的高度保存配列(CNE)が存在しその多くは組織特異的なエンハンサーであると考えられている。その中には脊椎動物の起源近くまで遡るほど古いものもあり、脊椎動物の共通祖先で起きたゲノム重複によって生じたパラログ間で保存されているものも存在する。従来の理論(DDCモデル)ではこのようなエンハンサーの保存を説明することができない。なぜ5億年以上に渡ってパラログ間のCNEが保存し、機能の「冗長性」が維持されているのだろうか? 私たちはゲノム重複によって生じた前脳に発現する転写調節遺伝子Gsh1、Gsh2の間にこのようなパラログ間高度保存CNEを発見し、トランスジェニックマウス実験でその機能を解析している。その結果、Gsh1、Gsh2遺伝子間の共通CNEは、前脳において互いに非常に似た組織特異性を示すエンハンサーであることがわかった。モデルの検討から、重要な発生調節遺伝子が環境や確率的なノイズにより発現量変動をするのを補償するシステムの維持のために、エンハンサーに進化的制約がかかることが示唆された。以上の結果から、重複遺伝子の維持機構として、遺伝子重複によって成立するロバストな遺伝子発現機構の純化淘汰を考えるモデルが、従来のsubfunctionalizationを前提とするDDCモデルに依存しない新たな仮説として提示された。

問合せ先 発生ゲノミクス研究グループ
荻野 肇 (ogino@bs.naist.jp)

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