セミナー情報

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がんや精子形成におけるエピジェネティックなDNA機能発現機構の理解を目指して

演題 がんや精子形成におけるエピジェネティックなDNA機能発現機構の理解を目指して
講演者 両角 佑一博士(グルノーブル大学 博士研究員)
使用言語 日本語
日時 2016年11月10日(木曜日) 10:00~10:45
場所 大セミナー室
内容 クロマチンの基本単位であるヌクレオソームは、4種のヒストン(H2A、H2B、H3、H4) 各2分子からなるヒストン八量体に、約150塩基対のDNAが巻きついた構造体である。 ヒストンはアセチル化やメチル化などの多彩なヒストン翻訳後修飾を受けるが、ヒストン化学修飾はそれらを認識するタンパク質と相互作用することによって転写や複製などのDNA機能発現制御に関与している。アセチル化ヒストンの認識に重要なブロモドメインを有するATAD2は、精巣特異的に発現するが、乳がんや肺がんなど様々ながん細胞において異常発現を示し、その発現量ががん患者の生存率と負の相関を示す。このことから、ATAD2はがんの悪性化に関わると考えられており、抗がん剤の標的として近年注目を集めている。しかし、その機能に関しては不明な点が多い。私は、これまでにATAD2が精巣に加えてES細胞でも発現しており、ATAD2が転写、複製、修復などの様々なDNA代謝を促進する上で重要なことを明らかにした。 またヒストン翻訳後修飾に加え、通常のヒストンとはアミノ酸配列がわずかに異なるヒストンバリアントもエピジェネティックなDNA機能発現に重要である。近年、精子形成後期過程でヌクレオソームがプロタミンに置き換わるクロマチン再編成において、ヒストンバリアントが重要であることがわかってきた。私は、精巣特異的ヒストンH2AバリアントであるH2A.L.2の機能解析にも取り組み、H2A.L.2がクロマチン再編成において必須であることを見出した。本セミナーでは、上述の研究成果と今後の研究について議論した い。
問合せ先 構造生物学
箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp)

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