NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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輸送複合体Centriolar satelliteの中心体構築の重要性と繊毛形成機構の解明

演題 輸送複合体Centriolar satelliteの中心体構築の重要性と繊毛形成機構の解明
講演者 西 晶子 博士(Postdoctoral Fellow The Francis Crick Institute(CR-UK),Laboratory of Cell Regulation)
使用言語 日本語
日時 2015年7月9日(木曜日) 15:30~16:15
場所 バイオサイエンス研究科大セミナー室
内容 中心体(centrosome)は幾多の生命機能において染色体分配、発生過程での均等、不均等細胞分裂、器官形成、繊毛機能、細胞運動などの重要な役割を担っている。中心体の構造は一対の中心小体(centriole)とそれをとりまく中心小体周縁物質(pericentriole material)から構成される。さらに中心体を取り巻くように存在する無数の不定形粒子構造-中心小体サテライト(centriolar satellite,以下CS)-が発見され、その生物機能に注目が集まっているが未だ解明は進んでいない。 本発表では、分裂酵母において同定されていた、スピンドル極体アンカリングに必須の因子Msd1のホモロジー検索によりヒトMsd1 (hMsd1/SSX2IP)を新たに見出し、その機能解析によって得られた知見をもとに微小管マイナス端のアンカリングの重要性について紹介したい。特にCSが微小管を介した細胞内輸送を通じて中心小体と空時的に連鎖し、その複製・構造形成に必須であり、またCSの挙動を司るシグナル制御機構の最新結果について議論したい。中心小体がどのように形成され、複製するのかは中心課題の 一つであり、とりわけ中心小体構築に関与する多くの遺伝子が発生過程において大きく影響するとされるヒト疾患、小脳症(microcephaly)や繊毛関連疾患(ciliopathies)の原因遺伝子として同定されており、医学的にも非常に重要なトピックスである。
問合せ先 バイオサイエンス研究科
箱嶋 敏雄 研究科長 (hakosima@bs.naist.jp)

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