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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Seminar セミナー情報

基質牽引力による細胞性粘菌アメーバの自律的な極性形成機構

演題
基質牽引力による細胞性粘菌アメーバの自律的な極性形成機構
講演者
岩楯 好昭 准教授 (山口大学理学部)
使用言語
日本語
日時
2010年11月16日(火曜日) 13:31~
場所
情報科学棟 P1 & 2 セミナー室
内容

自律的な秩序形成機構は生物の大きな特徴であり、発生や生物時計などの個体レベルだけでなく、細胞レベルでも見られる。白血球細胞や発達途中の神経細胞などが示すアメーバ運動はその好例で、細胞は、外部に因子が無くても、前後極性を自ら形成し、進行方向を決めて運動することができる。このとき細胞がさらされている環境には地面との力学的な関係しかない。ということは、細胞は、自分が地面に発揮した力の反作用を、自分と地面との接着面全面で感知し、それを利用して、前後極性を創り出し進行方向を決めているに違いない。

我々は、細胞性粘菌アメーバを用いて、まず(1)細胞がアメーバ運動するために地面にどのように力を発揮しているのかを調べた。次に(2)人為的に地面から細胞に力を加えて、地面から受ける力を感知して極性を創ることができることを見いだした。さらに(3)様々な改変ミオシンⅡを用いて極性を創るのにミオシンⅡが重要な役割を担っていることが分かった。本セミナーでは、粘菌アメーバが、地面との力学的な相互作用を利用して、どのように前後極性を創るのか述べる。

問合せ先
論理生命学講座
作村 諭一 (saku@is.naist.jp)