遺伝子組換え動物を用いたエピジェネティクス研究
–X染色体不活性化をモデルとして–
- 演題
- 遺伝子組換え動物を用いたエピジェネティクス研究
–X染色体不活性化をモデルとして– - 講演者
- 小林 慎 博士(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 MTTプログラム特任講師)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2015年1月9日(金曜日) 15:00~16:00
- 場所
- Large seminar room
- 内容
- 【Abstract】 哺乳類の雌の正常な発生にはエピジェネティック発現制御機構であるX染色体の不活性化が必須である。特に、発生初期の着床前に於けるX染色体不活性化機構は不明な点が多い。私達は、見た目では雌雄の判別が困難な初期胚を蛍光の有無で区別する遺伝子組換え動物を開発し、この系を用いてX染色体上にインプリント遺伝子を複数見いだす事に成功した。幾つかの遺伝子について、不活性化機構との関連を調べる為にKOマウスを作製し解析している。更に、生細胞でX染色体の再活性化をモニタリングできる系を開発した。この「再活性化」は幹細胞の多能性を示す指標になりうる点で興味深い。本研究により、これまで生細胞で難しかった幹細胞の種類の区別が可能になった。本セミナーではKOマウス解析、イメージング技術の最新の知見について紹介したい。
【References】
Soma et al. Sci Rep. ;4:5181. (2014)
Kobayashi S et al. PlosOne ;8(8):e71222. (2013)
Kobayashi S et al. Nucleic Acids Res. ; 38(11), 3672-81. (2010)
Kobayashi S et al. Curr Biol. ;16(2), 166-172.(2006) - 問合せ先
- 動物細胞工学
河野 憲二 (kkouno@bs.naist.jp)