細胞の形態形成の仕組みとがん形成との関わり
- 演題
- 細胞の形態形成の仕組みとがん形成との関わり
- 講演者
- 末次 志郎 博士(東京大学分子細胞生物学研究所 准教授)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2013年11月18日(月曜日) 15:00~16:00
- 場所
- L13会議室
- 内容
- 細胞膜上にはクラスリン被覆小孔、カベオラ、フィロポディア、ラメリポディアなど様々な微細構造が存在する。これらの微細構造の形成消失は、例えば、受容体などの生理機能や、がん細胞の浸潤転移を含む遊走運動に重要である。私たちは、それぞれの微細構造に対応するBARタンパク質が、その立体構造を膜に対する「鋳型」とすることにより脂質膜の曲率を制御し、同時に微細構造を裏打ちするアクチン細胞骨格の形成を行うことで、微細構造構築を行うことを示した。最近、これらのタンパク質が、細胞内シグナル伝達に関わり、がん化や浸潤に積極的な役割を果たすことを見いだしつつある。すなわち、細胞(膜)の形態形成そのものが、細胞のがん化と密接な関わりを持つことが初めて示唆される。
- 問合せ先
- 構造生物学
箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp)