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なぜ清酒酵母はアルコール発酵力が高いのか?

演題 なぜ清酒酵母はアルコール発酵力が高いのか?
講演者 渡辺 大輔 博士(独立行政法人酒類総合研究所
醸造技術基盤研究部門)
使用言語 日本語
日時 平成25年6月25日(火曜日) 16:30~17:15
場所 L12会議室
内容
清酒醸造に用いられる清酒酵母菌株群は、分類学上は出芽酵母S.cerevisiaeに属するが、他の菌株にはない優れた発酵特性を示す。古くから「旺盛な発酵力を示す菌株は発酵環境中の様々なストレスに強い」と考えられてきたが、意外なことに清酒酵母細胞はストレス耐性が顕著に低いことを実証した。さらに、このストレス応答欠損の原因変異が発酵速度の向上につながることを見出した。以上の結果を通して、実用酵母菌株から初めて高発酵性原因変異を同定したことに加え、酵母のストレス応答機構が発酵調節の鍵であるという新規な知見を得ることができた。本成果の応用により、目的に適った発酵力を有する実用酵母菌株の育種技術の確立に資することが期待される。
【参考論文】
1. D. Watanabe, Y. Araki, Y. Zhou, N. Maeya, T. Akao, and H. Shimoi; A loss‐of‐function mutation in the PAS kinase Rim15p is related to defective quiescence entry and high fermentation rates in Saccharomyces cerevisiae sake yeast strains; Appl. Environ. Microbiol. 78: 4008‐4016 (2012)
2. H. Urbanczyk, C. Noguchi, H. Wu, D. Watanabe, T. Akao, H. Takagi, and H. Shimoi; Sake yeast strains have difficulty in entering a quiescent state after cell growth cessation; J. Biosci. Bioeng. 112: 44‐48 (2011)
3. D. Watanabe, H. Wu, C. Noguchi, Y. Zhou, T. Akao, and H. Shimoi; Enhancement of the initial rate of ethanol fermentation due to dysfunction of yeast stress response components Msn2p and/or Msn4p; Appl. Environ. Microbiol. 77: 934‐941 (2011)
4. 渡辺大輔; 清酒酵母の高発酵性に関する遺伝学的研究; 生物工学会誌91: 2‐9 (2013)
5. 渡辺大輔; なぜ清酒酵母はアルコール発酵力が高いのか?; 化学と生物50: 723‐729 (2012)
問合せ先 構造生物学
箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp)

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