寄生植物ストライガの寄生分子メカニズム解明に向けて
- 演題
- 寄生植物ストライガの寄生分子メカニズム解明に向けて
- 講演者
- 吉田 聡子 博士(理化学研究所 植物科学研究センター 上級研究員)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2013年1月31日(木曜日) 14:30~15:30
- 場所
- L13会議室
- 内容
- 寄生植物ストライガ(Striga)はソルガムやトウモロコシ、イネなどの主要な穀物に寄生しアフリカ地域を中心に甚大な農業被害をもたらしている。宿主の根から分泌されるストリゴラクトンを感知して発芽したストライガは、主根の根端を吸器と呼ばれる侵入器官に変形し、宿主根に侵入する。吸器は宿主の中心柱に到達し、導管を発達させて維管束系を連結し栄養を奪って生育するが、その寄生の分子機構はほとんど分かっていない。
私達はこれまでに寄生成立のためのステージを見出し、トランスクリプトーム解析により各ステージ特異的な発現遺伝子を同定した。またゲノム解析を通して、宿主植物からストライガへの核遺伝子の水平伝播の例を発見した。さらに、条件的寄生植物コシオガマを用いたモデル実験系を立ち上げ、寄生の鍵遺伝子同定に向けて分子遺伝学的なアプローチを進めている。
参考文献
1. Yoshida and Shirasu (2009) New Phytologist, 183, 180‐189.
2. Yoshida et al. (2010) Science, 328, 1128.
3. Ishida et al. (2011) PLos One, 6, e25802. - 問合せ先
- 分化・形態形成学
横田 明穂 (yokota@bs.naist.jp)