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維管束植物における低分子ペプチドTDIFの機能と進化

演題 維管束植物における低分子ペプチドTDIFの機能と進化
講演者 平川 有宇樹 博士(Monash University, HFSPフェロー)
使用言語 English
日時 平成24年9月19日(水曜日) 14:00~15:00
場所 L12会議室
内容
近年、植物において低分子の分泌型ペプチドが相次いで同定され、ペプチドを介した細胞間シグナリングの機能が注目されている。
 CLEペプチドファミリーに属すTDIFは、ヒャクニチソウの維管束細胞培養系において木部細胞分化を阻害する活性因子として単離された(Ito et al. 2006 Science 313:842-5)。CLEペプチドは植物体へ直接投与することで活性を示すことが知られているが(Kondo et al. 2006 Science 313:845-8; Kinoshita et al. 2007 Plant Cell Physiol 48: 1821-5)、TDIFも植物育成培地中に添加して与えることで、生体内で木部細胞分化の阻害活性を示すことを見出した。この系を利用した逆遺伝学的な解析により、TDIFの受容体としてLRR受容体キナーゼであるTDR、下流の転写因子としてWOX4が働くことを明らかにした(Hirakawa et al. 2008 PNAS 105:15208-13; 2010 Plant Cell 22:2618-29)。遺伝子発現パターン等の結果から、TDIFシグナルは篩部から前形成層へと伝えられ、未分化な前形成層細胞の木部分化を阻害することによって、幹細胞機能の維持に寄与していると考えられる。
 ペプチド投与による植物発生の制御は、非モデル植物における遺伝子機能解析にも有効であると考えられる。現在、裸子植物やシダ植物においてTDIFの機能解析を進めており、その結果について発表する。
問合せ先 植物形態ダイナミクス
打田 直行 (n-uchida@bs.naist.jp)

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