1. NAIST植物科学グローバルトップ教育推進プログラムとは

植物科学グローバルトップ教育推進プログラムでは、NAISTバイオサイエンス研究科を拠点として、全国の大学や学部の枠を越えた教育体系を作り、植物科学の将来を担う研究者、技術者の養成を行ないます。そのため、ゲノム・トランスクリプトーム解析技術、プロテオミクス技術、顕微鏡技術を用いた研究提案を全国の大学院学生から公募し、その中から選抜された優秀な提案に対して、これらの技術についての最先端技術教育プログラムを実施します。またこのプログラムでは、直接的な技術指導にとどまらず、研究発表や総合討論を通して、発表技術の修練や人的交流を促進し、自立的な研究者の養成を推進します。更に、広い視点を持った若手研究者の養成のため、バイオインフォマティクス技術、ゲノム・トランスクリプトーム解析技術、プロテオミクス技術、顕微鏡技術などの、広範な最先端生物科学研究技術の教育を行います。

2. 植物科学グローバルトップ教育推進プログラムの実施体制

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事業の実施のために、NAISTバイオサイエンス研究科に「植物グローバル教育プロジェクト（植物機能解析学講座）」（以下「植物グローバル」）を設置し、先端的なゲノミクス・プロテオミクス・バイオイメージング技術の研究教育を行います。「植物グローバル」は、特任教員とPD研究員から構成され、以下の4チームが設置されています。

• ゲノム・トランスクリプトームグループ：本グループは、高速シーケンサーを用いた先端的なゲノム、エピゲノム、トランスクリプトーム解析手法を用いた研究教育を行う。具体的には、ゲノムリシーケンス（EMS変異検出など）、RNA-seq、Small RNA-seq、ChIP-seqやメチル化DNAシーケンスについての解析や教育を行う。また、微量サンプルでの高速シーケンス解析の新規開発も行う。
• バイオイメージンググループ：生きている細胞の中で生じるタンパク質とタンパク質の相互作用をFRETなどの方法を用い、可視化する技術の開発と教育を行なう。
• タンパク質質量解析グループ：機器としては、奈良先端大にある最新のLC-MS/MSなどの質量分析装置を活用する。タンパク質の同定、相対定量、絶対定量、翻訳後修飾解析、液体クロマトグラフィーを応用した技術の確立と教育を行う。
• タンパク質ネットワーク解析グループ：タンパク質ネットワークを形成する機能性タンパク質とその複合体を精製する方法の開発と教育を主として行なう。各種タグ付きタンパク質の単離精製及び解析、クロマトグラフィー、免疫沈降などを含む。

3. 植物グローバルトップ教育推進プログラム　利用機器

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この事業に参加することによって利用できる、NAIST最先端機器は以下の通りです。

• 次世代シーケンサー：イルミナ社GAIIx、情報解析用大容量ワークステーション（Win,MAC/UNIX）、Partek社次世代シーケンス解析ソフトGenomics Suite
• バイオイメージング：ライカ共焦点レーザー顕微鏡システムTCS-SP5（多光子レーザー、FLIM機能つき）、オリンパス共焦点レーザー顕微鏡システムFV1000、横河高速スキャニングシステムCSU22
• タンパク質質量解析： Thermo Science社LTQ-Orbitrap XL (HPLCシステム：オートサンプラーHTC-PAL, Paradigm MS4)、Thermo Science社TSQ-Vantage (HPLCシステム：オートサンプラーHTC-PAL, Advance)、Matrix Science社 MASCOT Server
• タンパク質ネットワーク解析：Waters社 Q-TOF Ultima（HPLCシステム：オートサンプラーHITACHI Frontier nLC）、GEヘルスケア社AKTAexplorer 10S、FUJIFILM社FLA7000/LAS3000 miniなど各種検出機器

4. 平成23年度に公募する研究支援プログラムの内容

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全国の大学院学生から、プロテオミクス、バイオイメージング技術、高速シーケンス技術を用いた研究プロジェクト提案を公募し、優れたプロジェクトに対する研究支援を行います。採用予定数は名程度であり、審査はNAIST植物グローバル教育プロジェクト推進委員会において行ないます。研究期間は1年間とし（平成23年4月～平成24年3月）、プログラムの内容は以下のとおりです。なお、提案研究の実施に関わる諸経費、および旅費は各参加者負担になります。

• 「植物グローバル」による、質量分析計によるタンパク質の解析、バイオイメージング技術、タンパク質精製等、高速シーケンスによる解析、最先端の技術の講義と実習。
• 「植物グローバル」及びNAISTの最先端機器を用いた、提案研究の実施。
• 研究方針発表会・成果発表会の開催による、発表技術の修練や人的交流の促進。

5. 応募の要件と応募方法

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• 大学院学生が中心になって行なう、植物科学に関する研究プロジェクトであること。
• 「植物グローバル」の4分野（ゲノム・トランスクリプトーム解析、バイオイメージング技術、プロテオミクス、タンパク質精製技術）の新規技術を活用した意欲的プロジェクトであること。
• 応募希望者は、応募の段階でM1からD2の学生であること。
• 日本学術振興会特別研究員に採択されている方も応募していただけます。
• 応募希望者は、申請用紙（別紙）に必要事項を記入し、E-mailの添付ファイルとして、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科　深尾陽一朗（fukaobs.naist.jp）に送ってください。締め切りは、平成23年1月14日（金）です。

6. その他

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• 平成23年2月に「研究支援プログラム」採択課題を決定し、申請者に連絡します。
• 本件に関する問合せは、深尾陽一朗（fukaobs.naist.jp）まで、E-mailでお願いします。

7. NAIST植物科学グローバルトップ教育推進プログラムに
おける他の教育プログラム

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研究プロジェクト支援プログラム以外に、全国の植物科学の大学院学生を対象に、バイオインフォマティクス技術、ゲノム・トランスクリプトーム解析学、プロテオミクス技術、バイオイメージング技術などの最先端技術の講義、ゲノム科学、動物科学等の関連研究分野の最先端の動向に関するワークショップ、シンポジウムの開催を予定しています。これについては、別途案内をいたします。