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発生医科学研究室
Developmental Biomedical Science

研究内容

中枢神経系の発生と、神経前駆細胞の性質の変遷に関する研究

中枢神経系には感覚神経、運動神経やそれらをつなぐ介在神経など、さまざまな神経細胞が規則正しく配置(パターン化)されています。このパターン形成には、モルフォゲンと呼ばれる分泌因子(シグナル因子)が関わっており、濃度依存的に細胞の運命が決まり、配置されることが知られています。また細胞の性質が変化していきますが、このプロセスで起きる転写因子の発現や細胞の性質の変遷を知ることを目標にしています。

卵の中で4日間育った胚

 

幹細胞から特定の神経細胞を分化させる研究

胚性幹細胞(ES細胞)はどのような細胞にも分化することができ、神経分化のメカニズムを知るために有用です。私たちは、幹細胞が神経細胞に分化する際に変化するエピゲノム状態や、脳の特定の領域の神経細胞を作成するためのプロトコールを開発する研究を行っています。

ES細胞から分化した視床下部神経

 

神経難病を治療するための基盤研究

神経系はいったん壊死すると自然に回復することはないため、神経疾患の多くは症状が重篤になる傾向にあり、確立された治療法が存在しません。神経系の研究を進める上で、私たちはこれらの難病に対する治療法の開発につなげたいと考えています。現在は、遺伝性の眼疾患の1つ、網膜色素変性症の治療法の開発に取り組んでいます。網膜色素変性症の初期に発現が変動する遺伝子を多数同定しました。その中には、神経炎症や細胞のグルコース代謝に関与するものが含まれており、これらの遺伝子やシグナルを調節することにより、これらの疾患に対する治療法や予防法を提案することを目指しています。

網膜におけるシングルセル遺伝子発現解析

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