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発生医科学研究室
Developmental Biomedical Science

Research

神経管のパターン形成における神経前駆細胞の性質の変遷に関する研究

脊椎動物の体幹部には脊髄の原基である神経管が存在し、感覚神経、運動神経やそれらをつなぐ介在神経など多様な神経細胞が整然と配置(パターン化)されています。このパターン形成には、モルフォゲンと呼ばれる分泌因子(シグナル因子)が関わっており、濃度依存的に細胞の運命を決定することが知られています。一方で、シグナル分子の受け手である神経前駆細胞の性質も時々刻々と変化し、同じシグナルに対しても異なる反応を示します。この反応様式は、「コンピテンス」と呼ばれ、古典発生生物学上の大きな仮説の1つとなっています。私たちは、このモルフォゲンとコンピテンスの関係を詳細に知ることにより、どのようにして比較的少数のシグナル分子から多くの細胞が産出されるのかの分子メカニズムを知ることを目標にしています。

Fig2

ソニック・ヘッジホッグの細胞内シグナル伝達に関する研究

腹側神経管のパターン形成を制御しているShhは、(i) 細胞にシグナルが導入されるときに、細胞表面に出現する繊毛を介して行われ、また (ii) ターゲット遺伝子の発現が開始されるまでにかかる時間が、他のシグナル分子に比べて非常に長いなど、ユニークなシグナル伝達様式を持ちます。そこで、このシグナル伝達を明らかにするために、Shhの細胞内シグナルに関わるタンパク質の単離を目指すほか、単分子レベルでShhシグナルに関わる因子を追跡することにより、その挙動を詳細に明らかにします。さらにそのシグナル伝達のスピードとパターン形成の関係を明らかにします。

Fig3

神経細胞の機能維持に関する研究

いったん産出された神経細胞の機能を維持することも重要です。たとえば、ある膜タンパク質をコードする遺伝子に変異が起こることにより、遺伝性の眼科疾患をはじめとする多くの病態が引き起こされることが明らかになっていますが、そのメカニズムは現在のところ不明なままです。私たちは、モデル動物や細胞生物学的解析を用いてこの原因を突き止め、細胞の機能維持や、疾病に対する治療法や予防法を提案することを目指しています。

Fig3

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