NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科遺伝子発現制御研究室の山田壮平さん(博士後期課程2年)が「第5回細胞競合コロキウム」より優秀口頭発表賞を受賞

バイオサイエンス研究科遺伝子発現制御研究室の山田壮平さん(博士後期課程2年)が「第5回細胞競合コロキウム」より優秀口頭発表賞を受賞 

受賞のコメント 

この度、第5回細胞競合コロキウムにおいて優秀発表賞を受賞することができ大変うれしく思います。本賞を受賞できたのは別所康全をはじめとした研究室のスタッフ皆様のおかげです。特に日頃実験の指導やディスカッションに付き合ってくださる松井貴輝助教に深く感謝いたします。本成果を研究活動へ生かし、より一層研究活動に邁進していく所存です。 

受賞時の発表内容 

「弾性性質を利用した創傷治癒機構の解明」
生体内では細胞の持つ張力、接着力、弾性、粘性など機械的な力が変化することで細胞や細胞シートの変形が起こり、生物の体は作られていく。これら力学的性質は細胞種や生物種によってユニークな特徴を持つことが知られているが、生体内で細胞の力学測定方法がほとんどないために、力学的性質の違いが生命現象に与える影響の理解は進んでいない。この問題を解決するためには、生体で力学特性を測定/操作する必要であると考え、生体モデルとしてゼブラフィッシュを用い、上皮細胞の張力、弾性、粘弾性などの力学特性の測定する手法を確立した。これら手法を用い、力学特性の測定を行った結果、ゼブラフィッシュ胚上皮は縮んだバネのような性質を持ち、細胞同士で押し合う力を生み出していることを発見した。さらに、この押し合う力はアクチンネットワークの密度によって制御されていることを見つけた。次に、上皮の弾性性質がどのような生命現象に利用されているのか解析したところ、細胞1-3個からなる上皮の創傷を修復する過程で細胞の弾性性質が利用していることを発見した。さらに、細胞の弾性を変化させることで傷の修復速度を制御できることも明らかになった。

【遺伝子発現制御】

研究室紹介ページ:http://bsw3.naist.jp/courses/courses308.html
研究室ホームページ:http://bsw3.naist.jp/bessho/

(2016年04月27日掲載)

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