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第八回梅園賞授賞式を開催しました


第八回梅園賞授賞式植物細胞機能研究室助教、庄司翼博士が第8回梅園賞を受賞しました。8月26日 淡路夢舞台国際会議場において開催中のグローバルCOEサマーキャンプ2011の三日目のプログラムとして、第8回梅園賞の授賞式と記念講演が行われました。今年も昨年と同様、サマーキャンプの他の発表と同様に英語での発表となり、海外からの招聘者を含む155名の参加者が聴衆となりました。
梅園賞は、梅園基金の設立趣旨に沿って、熱気溢れる時期にバイオサイエンス研究に精進し、本学を拠点にして優れた研究成果(論文発表)をあげた本学の助教あるいはポスドク研究員の1名を顕彰するものです。対象者が研究の推進に中心的な役割を果たしたと認められる発表論文(2009年6月1日~2011年5月 31日の期間に査読付き国際学術誌に発表されたもの)の学術的価値とオリジナリティの高さに審査の重点が置かれています。受賞者には表彰状と目録が授与されました。

第八回梅園賞受賞者 植物細胞機能研究室 庄司翼助教のコメント

庄司翼助教このたびは梅園賞という素晴らしい賞を頂き、光栄に思います。天然物生合成の制御因子を同定した本研究が、このような評価をいただいたことを大変嬉しく思います。特に、研究に専念できる環境を与えてくださった橋本教授に感謝いたします。本賞を励みとし、研究を発展、深化させる努力を継続したいと思います。

庄司翼助教の発表内容(演題と要旨)

「Molecular Identification of Master Transcription Factors for Nicotine Biosynthesis in Tobacco」

植物由来のアルカロイドとして12,000以上の化学構造が知られており、その多くは重要な薬理成分として利用されてきた。タバコは根においてニコチンとその類縁ピリジンアルカロイドを生合成する。また、葉部への食害に応答してその生合成がジャスモン酸情報伝達系を介して誘導される。2つの制御遺伝子座NIC1とNIC2が生合成を正に制御していることが遺伝学的に知られており、それらの変異アレルは低ニコチンタバコ品種の育種に利用されてきた。
本研究はNIC2遺伝子の分子的実体がニコチン生合成を統括的にコントロールするジャスモン酸応答性転写因子遺伝子であることなどを明らかとした。我々はNIC2遺伝子座に特定のサブファミリーに属する複数のERF型転写因子がクラスター化して存在し、nic2変異体では少なくとも7つのERF遺伝子が欠失していることを明らかとした。ニコチンを含むアルカロイドは植物色素のように形質を簡便に判別できないことなどからその変異体と原因遺伝子の同定は困難であった。低ニコチンタバコ実用品種の原因遺伝子として、植物体内で実際にアルカロイド蓄積量を決めている因子が初めて同定された意義は大きい。また、同種の転写因子が有用生理活性物質を含むジャスモン酸応答性二次代謝の制御に広く用いられている可能性は高く、転写因子を利用したジャスモン酸誘導性の二次代謝産物の代謝工学への応用も期待される。

(2011年08月30日掲載)

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