成果報告
論文No.043
アルミニウム誘導性MATE遺伝子はイネのアルミニウム無毒化に関与
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横正健剛、山地直樹、馬 建鋒
- Plant J. 68, 1061-1069 (2011)
Yokosho, K., Yamaji, N. and Ma, J. F. Plant J. 68: 1061-1069 (2011)
イネはアルミニウム毒性に強い耐性を示す。我々はこの高いアルミニウム耐性にOsFRDL4が寄与していることを明らかにした。OsFRDL4はMultidrug and toxic compound extrusion(MATE)に属し、クエン酸を細胞外に排出する活性を持つ。OsFRDL4の破壊株をアルミニウムに曝すと、根から分泌されるクエン酸の量が野生型と比べ大幅に低下した。またアルミニウム耐性も弱くなった。OsFRDL4の発現はアルミニウムによって強く誘導され、アルミニウム応答転写調節因子ATR1の制御下にある。またOsFRDL4タンパク質は根のすべての細胞の細胞膜に局在する。したがって、OsFRDL4の機能は根圏へクエン酸を分泌し、アルミニウムを無毒化することである。