成果報告
論文No.035
ケイ素、ホウ素及びヒ素に対するNIPの基質選択性
-
三谷奈見季、山地直樹、Zhao, F. J., 馬 建鋒
- J. Exp. Bot. 62, 4391-4398 (2011)
Mitani-Ueno, N., Yamaji, N., Zhao, F. J. and Ma, J. F. J. Exp. Bot. 62: 4391-4398 (2011)
アクアポリンのNIPサブファミリーは多様な基質を輸送するが、輸送基質を決定する因子は明らかではない。本研究では、イネケイ酸トランスポーターLsi1(OsNIP2;1)とシロイヌナズナホウ酸トランスポーターNIP5;1について、点変異などを用いて四つのアミノ酸からなるselectivity filterの役割を調べた。その結果、第2ヘリックス(H2)のアミノ酸が変異しても、ケイ酸やホウ酸、亜ヒ酸に対する輸送活性は変わらなかった。しかし、H5のアミノ酸を変異させると、ケイ酸やホウ酸に対する輸送活性はなくなるが、亜ヒ酸に対する輸送活性は部分的に残っていた。これらのことはH5のアミノ酸残基は輸送基質の選択性に重要な役割を果たしていることを示している。