成果報告

論文No.033

カドミウムを液胞膜に輸送するトランスポーターの同定

上野大勢、Milner, M. J., 山地直樹、横正健剛、小山絵美、Zambrano, M. C., Molly Kaskie, M., Ebbs, S., Kochian, L. V., 馬 建鋒
Plant J. 66, 852−862 (2011)

Ueno, D., Milner, M. J., Yamaji, N., Yokosho, K., Koyama, E., Zambrano, M. C., Molly Kaskie, M., Ebbs, S., Kochian, L. V. and Ma, J. F. Plant J. 66: 852−862 (2011)

 カドミウム(Cd)は動植物にとって毒性の強い重金属です。しかし、ごく一部の植物は進化の過程で高濃度のカドミウムを体内に集積し無毒化する仕組みを発達させてきました。我々は普通の植物より100倍以上のカドミウムを集積しても生育阻害を示さないカドミウム超集積植物グンバイナズナを用いて、その高蓄積に関わる遺伝子TcHMA3を同定することに成功しました。TcHMA3によってコードされるタンパク質は主に葉の細胞の液胞膜に局在しています。その遺伝子の発現量はカドミウムを集積しないシロイヌナズナに比べ8000倍以上にも達します。この遺伝子をシロイヌナズナに過剰発現すると、カドミウム耐性が増加しました(図1)。今後この遺伝子を活用して重金属汚染土壌の浄化への応用が期待できます。

Fig. 1

図1 TcHMA3を過剰発現したシロイヌナズナ2系統(2-3と3-11)の金属耐性