成果報告

論文No.032

ケイ酸吸収能力の異なるカボチャ2品種からの内向きケイ酸トランスポーターの同定と機能解析

三谷奈見季、山地直樹、吾郷幸子、岩崎貢三、馬 建鋒
Plant J. 66, 231−240 (2011)

Mitani, N., Yamaji, N., Ago, Y., Iwasaki, K. and Ma, J. F. Plant J. 66: 231−240 (2011)

 ケイ素は様々なストレスから植物を守る役割をしています。本論文では、ケイ酸吸収の異なるカボチャ2品種からケイ酸吸収に関わる内向きトランスポーターCmLsi1を単離しました。高ケイ酸吸収カボチャ由来のケイ酸輸送体はケイ酸を運ぶ活性を示しました。しかし、低ケイ酸吸収カボチャ由来のケイ酸輸送体は活性がありませんでした。両輸送体のアミノ酸配列の違いを比較すると、2箇所が変わっていることがわかりました。更なる解析の結果、そのうちの、242番目のアミノ酸の変異が輸送活性を失う原因であることを突き止めました。さらに、そのメカニズムを調べたところ、242番目のアミノ酸の変異によって、タンパク質が細胞膜に運ばれず、小胞体に蓄積することがわかりました(図1)。この性質を利用して、これらのカボチャ品種はそれぞれブルームキュウリとブルームレスキュウリの台木として利用されています。

Fig. 1

図1 ケイ酸高吸収(A)と低吸収(B)カボチャ由来のケイ酸トランスポーターCmLsi1の形質転換イネにおける細胞内局在