NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

野木森 万穂 さん

  • 大関株式会社
  • 2008年度(修士) 細胞機能学

人のネットワークを広げ活用することの必要性を感じています。

野木森 万穂さんの近況写真

細胞機能学講座(高木研)卒業生の野木森万穂と申します。大関株式会社に就職後、一年が経ちました。大関(株)では乳酸菌に関する研究や麹菌によるタンパク質生産の受託などを行っています。日本酒以外にもヒット商品につながるアイデアや発見がないかという気持ちを胸に日々の仕事に取り組んでいます。失敗も多いですが、先輩社員に助けられながら少しずつ仕事を覚える日々は充実しており、大関(株)を推薦していただいた高木先生には大変感謝しております。

高木研では、出芽酵母の酸化ストレス耐性機構に関する研究に取り組み、研究室で見出した遺伝子の新たな機能を示唆する結果を得ることができました。ラボミーティングでは、結果や方針について教員や他のメンバーと話合う過程で、実験の操作法や考え方、進め方などを沢山学びました。また、ジャーナルクラブにより研究分野に関する幅広い知識を吸収できました。当時は「大学院で学んだことは社会で生かせるのか」と疑問を抱いたりしましたが、現在の仕事において、良いアイデアを思いついた時や証明したい仮説ができた時、アプローチの方法をイメージし自分で組み立てていけるのは、高木研で培った2年間の研究生活のおかげだと思います。

高木研で「自分一人ができることには限りがあるので、人のネットワークを広げ活用することが大切だ」と教えてくださった先生がいました。人に頼ってばかりではいけないですが、与えられた時間の中で得られる知識は限られており、情報交換や人のネットワークを活用することで新しい切り口が見えたり、効率的に業務を行えたりと、実際にその必要性を感じるようになりました。奈良先端大は全国各地の様々な分野に携わってきた人々が集まっており、人のネットワークを大きくするという意味でもとても魅力的だと思います。

研究面以外でも奈良先端大に入って本当に良かったと思うことがあります。それは、英語力を伸ばせたことです。博士コースの学生だけでなく私のような修士コースの学生にもカリフォルニア大学デービス校での一ヶ月間のホームステイおよび英語学習というチャンスを与えていただきました。デービス校での英語学習やノボザイム社などの企業見学は大変勉強になりましたし、ホームステイ先の方や他国から来た学生との交流は、海外経験がほとんどなかった私にとって大変貴重で有意義な経験となりました。

最後に、現在大学院受験を考えている人の中には、まだやりたいことが明確でない人もいると思います。そのような人にとっても奈良先端大での生活は、将来、やりたいことが明確になった時に、それを達成するために必要な研究に対する考え方の土台をしっかり作れるという点でとても価値があると思います。また、研究熱心な教員や様々なバックグラウンドを持つユニークな同士と出会うことは、リアルタイムで大きな刺激になり自分の成長につながるだけでなく、就職後も互いに助け合うことのできる大切な財産になるのではないでしょうか。さらに、自分の英語力を高めたいと思っている方にも奈良先端大はその思いを叶えられる場所だと思うので、ぜひチャレンジしていただきたいです。

【2010年04月掲載】

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