研究室について
植物は、多種多様な化学構造を有する二次代謝物を産生することが知られています。二次代謝物は、細胞成長や発生などに直接関与するような必須の成分ではありませんが、その多くが植物内において環境ストレスに対する防御機構などに関与していることが知られています。そのため、植物二次代謝生合成経路の遺伝子の多くは、機能獲得・欠損を繰り返す進化の過程で、自生する外部環境に順応できるように選択され、それぞれの植物種固有の化合物を産生するようになったと考えられています。一方で、植物二次代謝物の多くが他の生物に対しても生物活性があることが知られており、医薬品や化粧品などとして用いられています。私たちの植物二次代謝研究室では、自然界に広く存在する植物二次代謝物の構造多様性について質量分析計などを用いて解析し、オミクス統合解析や種間比較解析などを駆使して、有用代謝物の産生に関わる遺伝子群の探索および新規機能の解明を行っています。研究成果は有用代謝物産生機能付加育種などへの応用が可能です。