植物科学グローバルトップ教育推進プログラムが発足されて初年度の本年度は、学生プロジェクトの公募を7月に行い、第一期生として全国から15名の大学院生の参加がありました(参加学生一覧はこちら)。
今年度のプログラム参加は平成22年9月から23年3月までの半年間となりましたが、実験手法について電話やメールのやり取りにより助言をする、奈良先端大で実験指導をするなどの支援の他に、次のような教育支援を行いました。
日時:平成22年10月18日、場所:本学研修ホール
第一期生として本プログラムに参加した15名の学生は、10月に行われた方針発表会で一同に会し、各自の研究計画について発表を行いました。各発表の研究分野は多岐にわたり、いずれの課題でも、本プログラムで学ぶ最先端技術を活用して、新しい研究を切り拓こうという強い意気込みが感じられました。
日時:平成22年10月19日〜22日、場所:本学バイオサイエンス研究科
方針発表会の翌日から4日間の合宿形式で、平成22年度参加学生を対象とした技術講習会を行いました。技術講習会では、タンパク質精製・タンパク質質量解析・ゲノムトランスクリプトーム・バイオイメージングの4つのトピックスについて、植物グローバル教員および外部講師による講義と実習が行われました。講習会終了後の参加学生からのアンケートでは、「最新の技術を使って何が出来るかということについてイメージが湧いて良かった」「基礎から応用まで学べて良かった」などの声が寄せられました。また、20日夜には、参加学生間の交流促進のためのBBQを行いました(技術講習会の写真はこちら)。
日時:平成23年3月4日、場所:本学バイオサイエンス研究科大講義室
年度末には、一般公開のワークショップ形式で、第一期参加学生15名の成果報告会を開催しました。それぞれの研究分野での最新の結果発表に対して、参加学生や学内外の研究者から活発な質問が投げかけられました。今回は半年間の参加ということで、「短かった」との声が多数聞かれましたが、参加学生に対する教育サポートは引き続き行うという稲田特任准教授の閉会の挨拶を受け、発表会後も教員への質問をする姿が多数見られました(成果報告会の写真はこちら)。
これらの教育支援を受けて、参加学生が成果を発表した論文数は、2010年で6報に上りました(参加学生による発表論文はこちら)。
プログラム参加学生だけでなく、一般の植物科学系研究者を対象とした最先端教育、研究者間交流促進のため、平成22年度は次のような一般公開のワークショップ・シンポジウムを開催しました。
平成22年7月14日、15日、場所:本学バイオサイエンス研究科大講義室
このワークショップでは、国内の10名の講師を招き、高速シーケンサーを用いた先端的な研究内容についての講演をしていただきました。14日の初日は深尾特任准教授の挨拶で始まり、講師6名の発表が終わった後、夜には本学研修ホールにて情報交換会が開かれました。15日には4名の講師の講演の後、最後にパネルディスカッションを行いました。参加された講師の先生方を中心に、研究内容や高速シーケンサーの運用に関しての活発な意見・情報交換が行われ、2日間で学内・学外合わせて130名を越える参加がありました。(ワークショップ「高速シーケンスが拓く次世代研究の世界」の写真はこちら)
平成22年11月25日、26日、場所:ミレニアムホール
文部科学省特定領域研究「植物メリステム」(代表:町田泰則)と植物科学グローバルトップ教育推進プログラムとの共催で、平成22年度シンポジウム「視る生物学5 - 植物を視る光の新技術 - 」を開催しました。今年で5回目となるイメージングをテーマとしたNAISTでのシンポジウムでは、学内2名を含む国内12名の研究者による講演が行われ、2日間で学内・学外合わせて128名の参加がありました。25日初日は、特定代表の町田泰則教授(名古屋大学)による挨拶、島本功教授による植物グローバルの紹介に始まり、8名の講演、二日目の26日には4名の講演が行われ、稲田特任准教授の閉会の挨拶で幕を閉じました。どの講演も、発表後非常に活発な質疑応答が行われ、両日とも予定終了時間を大幅に超える盛り上がりを見せました(シンポジウム「視る生物学5」の写真はこちら)。
本プログラムの広報活動の一環として、ホームページの開設を行いました。本プログラムの活動について随時更新しています。
本プログラムは、奈良先端科学技術大学院大学を中心とし、東京大学・京都大学・名古屋大学との共同事業運営のもと、より効果的に最先端技術教育を行うための体系確立を目指しています。本年度は、その基盤となる共同事業契約の締結を行いました。
全国の植物科学系大学院生を対象として、第二期参加学生の公募を行い、第二期生として22名を選抜しました。