英文論文
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Tan K.W., Pham M.T., Furukohri A, Maki H. and Akiyama T.M. (2013) Recombinase and translesion DNA polymerase decrease the speed of replication fork progression during the DNA damage response in Escherichia coli cells. Nucleic Acids Research 43, 1715-1725. (PubMed25628359) |
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2014 | |
Ikeda M, Furukohri A, Philippin G, Loechler E, Akiyama MT, Katayama T, Fuchs RP, Maki H. (2014) DNA polymeraes IV mediates efficient and quick recovery at N2-dG adducts. Nucleic Acids Research 42, 8461-8472. (PubMed24957605) |
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2013 | |
Pham M.T., Tan K.W., Sakumura Y., Okumura K., Maki H. and Akiyama T.M. (2013) A single-molecule approach to DNA replication in Escherichia coli cells demonstrated that DNA polymerase III is a major determinant of fork speed. Molecular Microbiology 90, 584-596. (PubMed23998701) |
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2012 | |
Ikeda M., Shinozaki Y., Uchida K., Ohshika Y., Furukohri A., Maki H. and Akiyama T.M. (2012) Quick replication fork stop by overproduction of Escherichia coli DinB produces non-proliferative cells with an aberrant chromosome. Genes and Genetic Systems 87, 229-231 (PubMed23229309) (GGS Prize 2013 受賞) |
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Mori T., Nakamura T., Okazaki N., Furukohri A., Maki H. and Akiyama T.M. (2012) Escherichia coli DinB inhibits replication fork progression without signifiantly inducing the SOS response. Genes and Genetic Systems 87, 75-87 (PubMed22820381) |
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Furukohri A., Nishikawa Y., Akiyama T.M. and maki H. (2012) Interactionbetween Escherichia coli DNA poluymerase IV and the single-stranded DNA-binding portein is required for DNA syntheisis on SSB-coated DNA. Nucleic Acids Research 40, 6039-6048 (PubMed22447448) |
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2010 | |
Ide S., Miyazaki T., Maki H. and Kobayashi T. (2010) Abundance of ribosomal RNA copies maintains genome integrity. Science 327, 639-696 (PubMed20133573) |
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Ogawara D., Muroya T., Yamauchi K., Iwamoto T., Yagi Y., Yamashita Y., Waga S., Akiyama M. and Maki H. (2010) Near-full-length REV3L appears to be a scarce maternal factor in Xenopus laevis eggs that changes quantitatively in early embryonic development. DNA Repair 9, 90-95 (PubMed19896909) |
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2008 | |
Uchida K., Furukohri A., Shinozaki Y., Mori T., Ogawara D., Kanaya S., Nohmi T., Maki H. and Akiyama M.(2008) Overproduction of Escherichia coli DNA polymerase DinB (Pol IV) inhibits replication fork progression and is lethal Molecular Microbiology 70, 608-622(PubMed18761688) |
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Furukohri A., Goodman M.F. and Maki H.(2008) A dynamic polymerase exchange with Escherichia coli pol IV replacing pol III on the sliding clamp. J Biol Chem 283, 11260-11269 (PubMed18308729) (a Journal of Biological Chemistry (JBC) Paper of the Week) 大腸菌の染色体DNA複製は主としてDNA Polymerase III (Pol III)が行っている。しかし鋳型DNA鎖上にUVや薬剤などによる損傷を受けた塩基があると、このポリメラーゼはDNA合成を停止してしまう。そこで、損傷乗り越えDNA合成(translesion synthesis, TLS)ポリメラーゼと呼ばれる特殊なDNAポリメラーゼが損傷部位を合成し、DNA複製反応を継続させると考えられている。しかし、このDNAポリメラーゼの交代(ポリメラーゼスイッチ反応)がどのようなメカニズムで起こるかはよく解っていない。この研究では、大腸菌のTLSポリメラーゼの一つであるPol IV(DinB)を用いて、試験管内でPol IIIからPol IVへのポリメラーゼスイッチ反応を再構成し、その過程を詳細に調べた。その結果、Pol IVには能動的にポリメラーゼスイッチ反応をおこす活性があることが示された。これらの結果は大腸菌のポリメラーゼスイッチ反応のメカニズムを理解するための極めて重要な知見であると考えられる。 |
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Hasegawa K., Yoshiyama K. and Maki H.(2008) Spontaneous Mutagenesis Associated with Nucleotide Excision Repair in Escherichia coli. Genes to Cells 13, 459-469 (PubMed18429818) |
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2007 | |
Yanagihara F., Yoshida S., Sugaya Y. and Maki H.(2007) |
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Sakamoto K., Tominaga Y., Yamauchi K., Nakatsu Y., Sakumi K., Yoshiyama K., Egashira A., Kura S., Yao T., Tsuneyoshi M., Maki H., Nakabeppu Y. and Tsuzuki, T. (2007) |
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Kanie, S., Horibata, K., Kawano, M., Isogawa, A., Sakai, A., Matsuo, N., Nakanishi, M., Hasegawa, K., Yoshiyama, K. and Maki, H. (2007) |
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Ide, S., Watanabe, K., Watanabe, H., Shirahige, K., Kobayashi, T. and Maki, H. (2007) Abnormality in initiation program of DNA replication is monitored by the highly repetitive rDNA array on chromosome XII in budding yeast. Mol Cell Biol 27, 568-578. (PubMed17101800) 染色体の維持・伝達には、各種のDNA修復経路に加えて細胞周期のチェックポ イント機構が重要な働きを持つ。染色体DNA上の損傷が修復されずに残っている場合や、染色体DNAの複製に異常が生じている場合、さらに染色体複製が完了しない場合に、細胞周期の進行を停止して、染色体上のトラブルを解消する様々な機構を活性化するからである。もし、染色体上のトラブルが解消できない時には、チェックポイント機構の働きにより細胞死が誘発され、染色体異常を持つ細胞は細胞集団から排除される。我々は以前に、DNA複製の開始制御の異常が染色体異常を誘発することを見いだし、それがチェックポイント機構により強く抑制されていることを明らかにした。今回、DNA複製の開始制御の異常は染色体の特定の部位、すなわちrRNAをコードするrDNA領域でモニターされることを見いだした。rDNA領域は真核生物では100~200回の連続した繰り返し配列になっており、このコピー数の大きさが複製開始制御異常のモニターの感 度を規定することも明らかになった。これは、rDNA領域およびそのコピー数がゲノムの安定性を保証する機構で重要な役割を持つことを示す最初の知見である。 |
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2006 | |
Tsubota, T., Tajima, R., Ode, K., Kubota, H., Fukuhara, N., Kawabata, T., Maki, S. and Maki, H. (2006) Double-stranded DNA binding, an unusual property of DNA polymerase epsilon , promotes epigenetic silencing in Saccharomyces cerevisiae. J Biol Chem 281, 32898-32908. (PubMed16916794) (Papers Of The Week, October 27, 2006) ASBMB Today, Volume 5, Issue 9, P. 29 (December 2006). (米国生化学・分子生物学会の機関誌ASBMB Today 12月号のASBMB Bio Bits (Science from ASBMB By Nicole Kresge, Science Editor)に4論文の1つとして紹介されました。) クロマチンの状態やその変化が遺伝子発現制御の基盤になっていることは広く知られてきた。また、クロマチン構造は発生・分化の過程においても正確に維持され、同じ遺伝情報を持つ細胞であっても、異なるクロマチン構造を持つ細胞集団間では異なった表現型を示すことも分かってきた。細胞分裂に伴うクロマチン構造の複製は染色体DNAの複製と綿密な連関をもってなされるが、最近になって、新生鎖DNA合成に関わるDNAポリメラーゼε(Polε)が正確なクロマチン構造の複製にも関与することが示唆された。本研究では、Polε複合体の構成サブユニットであるDpb3およびDpb4タンパク質がヒストンH2A-H2Bと構造的に極めて類似したヘテロ二量体を形成し、二本鎖DNAをその周りに巻き付けること、また、両サブユニットの働きによりPolεが二本鎖DNAと安定に結合することを明らかにした。さらに、このPolεとDNAとの相互作用が出芽酵母のヘテロクロマチン様構造の維持に重要な役割を果たすことを示した。 |
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Sakai, A., Nakanishi, M., Yoshiyama, K. and Maki, H.(2006) Impact of reactive oxygen species on spontaneous mutagenesis in Escherichia coli. Genes Cells 11, 767-778.(PubMed16824196) 突然変異、特に自然突然変異の発生は生物進化の原動力であると同時に、遺伝情報の正確な伝達を脅かすことにより細胞機能の低下や欠損、癌や遺伝病などの各種の疾病の原因となっている。しかしながら、自然突然変異の起源については不明な点が多い。これまでの研究から、自然突然変異の原因となる前変異損傷の発生には細胞に内在する何らかの要因が関与すると考えられているが、今回、我々は自然突然変異の少なくとも一部分は酸素呼吸で生じる酸素ラジカル、特に水酸ラジカルによる酸化的DNA損傷に起因することを世界で初めて明らかにした。大腸菌は酸素が全くない環境(超嫌気的培養環境)でも増殖することが出来る。このことを利用して、その環境下で培養した大腸菌で生じる自然突然変異の解析を行い、通常の大気中で培養した大腸菌での自然突然変異の発生頻度や変異の種類、発生部位の特異性と比較することにより、酸素依存的な自然突然変異の存在を明らかにした。さらに、詳細な解析を行った結果、酸素に依存する自然突然変異は主として塩基置換であり、好気的細胞増殖での自然突然変異の約8割が酸素に依存していることを示した。 |
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2005 | |
Yagi, Y., Ogawara, D., Iwai, S., Hanaoka, F., Akiyama, M. and Maki, H. (2005) DNA polymerases η and κ are responsible for error-free translesion DNA synthesis activity over a cis-syn thymine dimer in Xenopus laevis oocyte extracts. DNA Repair (Amst) 4, 1252-1269. (PubMed16055392) 脊椎動物では少なくとも5種類の損傷乗り越え型のDNAポリメラーゼが知られているが、細胞内の量が微量であることからバイパス反応における寄与の程度は明らかになっていない。この問題にアプローチするには、大量の細胞抽出液を用いたバイパス活性の生化学的な解析、あるいは酵素をコードする遺伝子をノックアウトした細胞の遺伝学的な解析が必要である。前者のアプローチは、受精後のDNA複製に必要な酵素を大量に蓄えているアフリカツメガエルの巨大な卵母細胞を用いることで可能となった。紫外線損傷であるチミン二量体をバイパスする活性を細胞抽出液中に同定して調べたところ、チミン二量体に塩基を対合する酵素として主にPolηが働いていることが明らかになった。また、その挿入された塩基からDNA鎖をさらに伸長する過程にはPolηとPolκが同程度の寄与をしている可能性が示された。 |
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Moritoh, S., Miki, D., Akiyama, M., Kawahara, M., Izawa, T., Maki, H. and Shimamoto, K. (2005) RNAi-mediated silencing of OsGEN-L (OsGEN-like), a new member of the RAD2/XPG nuclease family, causes male sterility by defect of microspore development in rice. Plant Cell Physiol 46, 699-715. (PubMed15792960) この論文は、島本研との共同研究の成果であり、イネのRAD2/XPGタイプの新規なメンバーである、OsGEN-like 遺伝子の単離、発現解析、機能解析、およびタンパク質の生化学的解析を行ったものである。OsGEN-like 遺伝子は、RAD2/XPGタイプのヌクレアーゼの中で、クラス4に属しており、他の植物や動物にもホモログが存在している。RNAi法により、この遺伝子の発現を抑制したところ、小胞子の形成が阻害され雄性不稔となった。リコンビナントタンパク質の解析から、フラップエンドヌクレアーゼ活性と一本鎖および二本鎖DNAへの結合活性が示された。これらの結果から、OsGEN-like 遺伝子はイネにおいて、小胞子の形成の初期にDNA代謝に関与することが示唆された。 |
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2004 | |
Hisaji Maki (2004) DNA Polymerase III, Bacterial. in Encyclopedia of Biological Chemistry, Volume 1, p729-733, Academic Press. |
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Pavlov, Y.I., Maki, S., Maki, H. and Kunkel, T.A. (2004) Evidence for interplay among yeast replicative DNA polymerases alpha, delta and epsilon from studies of exonuclease and polymerase active site mutations. BMC Biol 2, 11. (PubMed15163346) 出芽酵母のDNAポリメラーゼε(Polε)はDNA複製のみならず、DNA修復やチェックポイント制御、遺伝子サイレンシングなどにも関与することが知られている。PolεのDNA鎖伸長活性および校正機能を持つPol2サブユニットの遺伝子の変異株にはミューテーターの性質を示すものがこれまでに分離されており、今回、校正機能に欠損を持つpol2-4とDNA鎖伸長活性の活性中心付近のアミノ酸置換によるpol2-Y831Aの生化学的および遺伝学的解析を行い、それぞれの変異株が示すミューテーターの分子機構を考察した。得られた結果を総合すると、pol2-Y831A変異株由来のPolεは染色体複製そのものに対する働きを失うことでその忠実度制御に欠損が生じていることが示唆された。 |
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Fukui, T., Yamauchi, K., Muroya, T., Akiyama, M., Maki, H., Sugino, A. and Waga, S. (2004) Distinct roles of DNA polymerases delta and epsilon at the replication fork in Xenopus egg extracts. Genes Cells 9, 179-191. (PubMed15005706) アフリカツメガエル卵抽出液と精子核DNAを用いた試験管内DNA複製系は脊椎動物のみならず真核生物の染色体DNA複製をin vitroで解析できる唯一の実験系である。このin vitro複製系を利用して、DNA複製装置の中でDNA鎖伸長を触媒する二つのDNAポリメラーゼ、PolδとPolεの役割を検討した。それぞれのDNAポリメラーゼに特異的な抗体を作成し、それらを用いて卵抽出液からPolδとPolεのどちらか、あるいは両方を除去してDNA複製を調べたところ、Polδはラギング鎖の複製に必須であり、その働きはPolεでは補うことができないことが明らかになった。 |
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Ishino, Y., Nakabeppu, Y., Maki, H., Iwasaki, H., Araki, H. and Shinagawa, H. (2004) The 4th International Symposium on 3R; DNA replication, recombination and repair. Genes Genet Syst 79, 53-63. (PubMed15056937) |
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2003 | |
Tsubota, T., Maki, S., Kubota, H., Sugino, A., and Maki, H. (2003). Double-stranded DNA binding properties of Saccharomyces cerevisiae DNA polymerase epsilon and of the Dpb3p-Dpb4p subassembly. Genes Cells 8, 873-888. (PubMed14622139) 出芽酵母のDNA複製と細胞増殖に必須であるDNAポリメラーゼε(Polε)について、各種のDNAとの相互作用について詳細な生化学的解析を行った。その結果、Polεは単鎖DNAに特異的な結合活性部位と二本鎖および単鎖DNAに結合する部位を持つことが明らかになった。この二本鎖DNA結合は塩基配列に依存せず、DNA末端を必要としない。また、二本鎖DNAはPolεによるDNA合成を阻害しない。Polεの二本鎖DNA結合活性には触媒サブユニットのC末端ドメインあるいは3つのアクセサリーサブユニットが関与する。さらに、ヒストンフォールドモチーフを持つDpb3pおよびDpb4pの精製と生化学的解析から、両サブユニットはヘテロ二量体を形成してPolεと同様な二本鎖DNA結合活性を示すことが明らかになった。このことから、Polε の二本鎖DNA結合活性に Dpb3p-Dpb4p複合体が関与することが示唆された。 |
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Yoshida, J., Umezu, K., and Maki, H. (2003). Positive and Negative Roles of Homologous Recombination in the Maintenance of Genome Stability in Saccharomyces cerevisiae. Genetics 164, 31-46. (PubMed12750319) 出芽酵母二倍体細胞での染色体レベルでの遺伝的変化における相同組換え機構の役割について、各種の相同組換え機構の欠損変異株を用いた詳細な解析を行った。その結果、相同組換え機構は染色体喪失、アレル間組換え、染色体異常などの発生を基本的には強く抑制する役割を果たすが、野生株での染色体レベルでの遺伝的変化の発生そのものには必須の働きをすることが明らかになった。また、それぞれの相同組換え経路は染色体レベルでの遺伝的変化の発生に異なる関与をすることも示した。さらに、これらのゲノム不安定性の原因が何らかの自然DNA傷害であることを示すとともに、相同組換え機構のバックアップ経路として複製後修復機構が働いていることを明らかにした。 |
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Higuchi, K., Katayama, T., Iwai, S., Hidaka, M., Horiuchi, T., and Maki, H. (2003). Fate of DNA replication fork encountering a single DNA lesion during oriC plasmid DNA replication in vitro. Genes Cells 8, 437-449. (PubMed12694533) DNA複製フォークの進行におよぼす鋳型DNA上の単一DNA損傷の影響を試験管内oriCプラスミドDNA複製系を用いて解析した。その結果、ラギング鎖上の損傷は損傷付近の岡崎断片の合成は阻害するが、複製フォークの進行自体には影響を及ぼさないことが示された。一方、リーディング鎖上の損傷は、リーディング鎖合成を強く阻害すると共に複製フォークの進行にも大きな影響を与えることが明らかになった。 |
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Yoshiyama, K., and Maki, H. (2003). Spontaneous Hotspot Mutations Resistant to Mismatch Correction in Escherichia coli: Transcription-dependent Mutagenesis Involving Template-switching Mechanisms. J Mol Biol 327, 7-18. (PubMed12614604) 大腸菌における自然突然変異の発生に対する転写の影響を調べた。その結果、転写レベルに応じて発生頻度が上昇するタイプのホットスポット型点突然変異が存在することを見いだした。大部分の非ホットスポット型点突然変異の発生には転写レベルは大きな影響を示さないことも分かった。転写依存性のホットスポットは複製フォークの進行方向にも影響を受け、ミスマッチ修復に抵抗性の配列置換型変異であることを明らかにした。これらの結果から、転写依存性の突然変異の発生機構のモデルを提唱した。 |
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2002 | |
Maki, H. (2002). Origins of spontaneous mutations: Specificity and directionality of base-substitution, frameshift, and sequence-substitution mutageneses. Annu. Rev. Genet. 2002, 36, 279-303. (PubMed12429694) 自然突然変異の起源について、特に点突然変異の発生の分子機構を中心にしてこれまでの知見を概観し、この数年間に新たに提唱されたモデルを検証するとともに、今後解明されるべき問題点を整理した。 |
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Egashira, A., Yamauchi, K., Yoshiyama, K., Kawate, H., Katsuki, M., Sekiguchi, M., Sugimachi, K., Maki, H., and Tsuzuki, T. (2002). Mutational specificity of mice defective in the MTH1 and/or the MSH2 genes. DNA Repair 1, 881-893. (PubMed12531017) 酸素ラジカルにより細胞内で発生する8-oxodGTPを特異的に加水分解するMTH1タンパク質をコードするMTH1遺伝子を欠損したノックアウトマウスで発生する自然突然変異を詳細に解析した。その結果、大腸菌mutT変異株とは異なり、MTH1欠損は顕著なミューテーター活性は示さないことが判明した。哺乳動物ではMTH1遺伝子以外にも8-oxodGTPによる変異誘発を抑制する複数の機能が存在する可能性が示唆された |
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Ajima, J., Umezu, K., and Maki, H. (2002). Elevated incidence of loss of heterozygosity (LOH) in an sgs1 mutant of Saccharomyces cerevisiae: roles of yeast RecQ helicase in suppression of aneuploidy, interchromosomal rearrangement, and the simultaneous incidence of both events during mitotic growth. Mutat Res 504, 157-172. (PubMed12106656) 出芽酵母のRecQヘリカーゼを欠損したsgs1変異株での自然染色体異常の体系的な解析を行った。その結果、sgs1変異株では野生株に対して顕著に自然染色体異常の発生頻度が上昇しており、特に異所性の相同組換えによる異常染色体の発生頻度と染色体喪失と相同染色体間組換えが同時に生じた細胞の出現頻度の大きな上昇が特徴的であった。 |
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Sugaya, Y., Ihara, K., Masuda, Y., Ohtsubo, E., and Maki, H. (2002). Hyper-processive and slower DNA chain elongation catalysed by DNA polymerase III holoenzyme purified from the dnaE173 mutator mutant of Escherichia coli. Genes Cells 7, 385-399. (PubMed11952835) 大腸菌の強いミューテーター変異dnaE173がコードする変異型αサブユニットを持つDNAポリメラーゼIIIホロ酵素を精製し、そのDNA鎖伸長反応を野生型ホロ酵素と比較した。その結果、dnaE173ホロ酵素は野生型よりも顕著に強いDNA結合を示し、その鎖伸長速度は野生型の1/3に低下しており、複製型DNAポリメラーゼが持つ校正機能の分子機構について新しいモデルが提唱された。 |
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Watanabe, K., Morishita, J., Umezu, K., Shirahige, K., and Maki, H. (2002). Involvement of RAD9-dependent damage checkpoint control in arrest of cell cycle, induction of cell death, and chromosome instability caused by defects in origin recognition complex in Saccharomyces cerevisiae. Eukaryot Cell 1, 200-212. (PubMed12455955) マルチレプリコンを持つ真核生物ではDNA複製開始制御の異常により染色体異常が高頻度に誘発されることを初めて示した。また、この染色体異常の誘発はDNA損傷チェックポイントにより強く抑制されることを見いだした。さらに、損傷の程度が強い場合には、チェックポイント制御の下流にある細胞死誘発機構が発動することを明らかにした。 |
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Umezu, K., Hiraoka, M., Mori, M., and Maki, H. (2002). Structural analysis of aberrant chromosomes that occur spontaneously in diploid Saccharomyces cerevisiae: retrotransposon Ty1 plays a crucial role in chromosomal rearrangements. Genetics 160, 97-110. (PubMed11805048) 出芽酵母二倍体細胞をモデルとして、真核生物での自然染色体異常の発生を初めて体系的に解析し、異常染色体のほとんどはゲノム中に散在するレトロトランスポゾンTy1の配列間での相同組換えに起因することを明らかにした。 |
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2001 | |
Kaoru Yoshiyama, Kumiko Higuchi, Tadanobu Matsumura and Hisaji Maki (2001) Directionality of DNA replication fork movement strongly affects the generation of spontaneous mutations in Escherichia coli. J. Mol. Biol., 307, 1195-1206. (PubMed11292335) |
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2000 | |
Mina Hiraoka, Kei-ichi Watanabe, Keiko Umezu and Hisaji Maki (2000) Spontaneous loss of heterozygosity in diploid Saccharomyces cerevisiae cells. Genetics, 156, 1531-1548. (PubMed11102355) |
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Hiroyuki Kamiya, Hisaji Maki and Hiroshi Kasai (2000) Two DNA polymerases of Escherichia coli display distinct misinsertion specificities for 2-hydroxy-dATP during DNA synthesis. Biochemistry, 39, 9508-9513. (PubMed10924147) |
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Tomoko Ohya, Satoko Maki, Yasuo Kawasaki, and Akio Sugino (2000) Structure and function of the fourth subunit (Dpb4p) of DNA polymeraseε in Saccharomyces cerevisiae. Nucleic Acids Res., 28, 3846-3852. (PubMed11024162) |
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Mineaki Seki, Masahiro Akiyama, Yutaka Sugaya, Eiichi Ohtsubo and Hisaji Maki (1999) Strand asymmetry of +1 frameshift mutagenesis at a homopolymeric run by DNA polymerase III holoenzyme of Escherichia coli. J. Biol. Chem., 274, 33313-33319. (PubMed10559208) |
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Shingo Fujii, Masahiro Akiyama, Kazuhiro Aoki, Yutaka Sugaya, Kumiko Higuchi, Mina Hiraoka, Youhei Miki, Naotoshi Saitoh, Kaoru Yoshiyama, Keiichi Ihara, Mineaki Seki, Eiichi Ohtsubo and Hisaji Maki (1999) DNA replication errors produced by the replicative apparatus of Esherichia coli. J. Mol. Biol., 289, 835-850. (PubMed10369765) |
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Satoko Maki, Keiji Hashimoto, Takeshi Ohara and Akio Sugino (1998) DNA polymerase II (ε) of Saccharomyces cerevisiae dissociates from the DNA template by sensing single-stranded DNA. J. Biol. Chem., 273, 21332-21341. (PubMed9694894) |
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Keiji Hashimoto, Naomi Nakashima, Takeshi Ohara, Satoko Maki and Akio Sugino (1998) The second subunit of DNA polymerase III (δ) is encoded by the HYS2 gene in Saccharomyces cerevisiae. Nucleic Acids Res., 26, 477-485. (PubMed9421503) |
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Satoko Maki, Souichi Takiguchi, Tadao Horiuchi, Kazuhisa Sekimizu, Takeyoshi Miki (1996) Partner switching mechanisms in inactivation and rejuvenation of Escherichia coli DNA gyrase by F plasmid proteins LetD (CcdB) and LetA (CcdA). J. Mol. Biol., 256, 473-482. (PubMed8604132) |
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Tatsurou Tajiri, Hisaji Maki and Mutsuo Sekiguchi (1995) Functional cooperation of MutT, MutM and MutY proteins in preventing mutations caused by spontaneous oxidation of guanine nucleotide in Escherichia coli. Mutation Res. (DNA Repair), 336, 257-267. (PubMed7739614) |
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