研究成果

研究成果

生命活動の根幹を成すタンパク質相互作用地図の解明:システム生物学への大きな前進

バイオサイエンス研究科の森 浩禎教授らのグループは、京都大学ウイルス研究所の和田博士らのグループと共に、地球上で最もよく研究され、遺伝子研究において非常に重要なモデル生物のひとつとされる大腸菌の全予測遺伝子について、それらのプラスミドクローン及び欠失株の作製を続けてきた。構築を行ったプラスミドクローンライブラリーを活用し、個々の遺伝子産物であるタンパク質同士が細胞内でどのように相互作用しているか明らかにした。タンパク質は、それら単独で働くことは少なく、何らかの相互作用を通して、細胞内機能を果たす。酵素複合体のように複合体として相互作用を行うもののほかに、シグナル伝達機構もシグナルを受け渡す際に相互作用が必用である。また、シャペロンタンパク質はタンパク質の高次構造形成において相互作用することで、その機能を果たす。これまで分子生物学において、遺伝子という部品の徹底的な研究が培われてきた。これからはその部品により作り出されるシステムとして細胞内構造体、細胞、個体を理解しようとするシステム生物学の展開が期待される。遺伝子研究の基礎を築いてきたと言える大腸菌を用いて、生命システムの全体像把握へ向けた一歩を踏み出す事ができたと言える。システム生物学における大きな成果である。

掲載論文

Arifuzzaman, M., Maeda, M., Itoh, A., Nishikata, K., Takita, C., Saito, R., Ara, T., Nakahigashi, K., Huang, H.C., Hirai, A., Tsuzuki, K., Nakamura, S., Altaf-Ul-Amin, M., Oshima, T., Baba, T., Yamamoto, N., Kawamura, T., Ioka-Nakamichi, T., Kitagawa, M., Tomita, M., Kanaya, S., Wada, C. and Mori, H. (2006) Large-scale identification of protein-protein interaction of Escherichia coli K-12. Genome Res 16, 686-691.

(2006年08月28日掲載)

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