腫瘍細胞生物学研究室

マウスモデルを用いた解析

細胞周期、発癌、造血に関する研究は、培養細胞を用いた実験系に加えて動物個体での実験系が重要です。本研究室ではノックアウトマウスとトランスジェニックマウスを用いた解析を行っています。

下記以外にも、p53のノックアウトマウス、p27のノックアウトマウス、CSN2とCSN3のヘテロマウスなどを現在飼育しています。また、新規遺伝子改変マウスも作製中です。

遺伝子改変ES細胞を注入してできたキメラマウス
遺伝子改変ES細胞を注入してできたキメラマウス

Jab1/CSN5ノックアウトマウス

Jab1/CSN5のノックアウトマウスを作製し解析したところかなり早期の胎生致死となった。その細胞を調べたところ、Cdkインヒビターp27、癌抑制遺伝子産物p53、サイクリンEの制御異常と、細胞増殖の抑制・細胞死の促進が起こっていた。この表現型はCSN2や CSN3のノックアウトマウスとよく似ている。

Tomoda, K., Yoneda-Kato, N., Fukumoto, A., Yamanaka, S., and Kato, J. Y. Multiple functions of Jab1 are required for early embryonic development and growth potential in mice. J. Biol. Chem., 279: 43013-43018, 2004.

Jab1/CSN5トランスジェニックマウスにおける骨髄性増殖疾患

ヒトの癌でJab1の過剰発現がしばしば認められるが、発癌におけるJab1の役割は不明であった。この疑問を解明するために、Jab1を安定に発現させたトランスジェニンクマウスを作製し解析した。その結果、Jab1トランスジェニックマウスは骨髄増殖症候群を発症し、また、未分化な造血性幹細胞・前駆細胞が増えていた。このような細胞では癌抑制因子p16INK4aの発現が低下していた。Jab1の新規相互作用因子を探索した結果、SMYD3を同定し、Jab1がSMYD3と協調してp16INK4aプロモーターを抑制する結果を得た。

Mori M, Yoneda-Kato N, Yoshida A, Kato JY. Stable form of Jab1 enhances proliferation and maintenance of hematopoietic progenitors.J. Biol. Chem., 283: 29011-29021, 2008.

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