Research & Development

植物で世界を変える

私たちは植物が好きです。植物には世界を変える力があると信じています。

研究の基本方針

私たちは植物の環境応答を中心に研究しています。特に光周性花成と概日リズムをキーワードに研究を行っています。光周性も概日リズムも植物だけでなく、動物でも共通して見られる現象であることから、植物での理解を通じて生命の基本原理の理解につなげたいと考えています。

科学技術の発展により学問分野は細分化され、領域を超えた理解はますます難しくなってきています。これは車を理解しようとしてエンジンの研究を、エンジンを理解しようとしてネジの研究を初めるのに似ています。ネジへの理解をいくら積み重ねても、車が動く仕組みは理解できません。バラバラになった知見・技術を統合しより上位の概念を目指す時が来ていると私たちは考えています。

教育の基本方針

遠藤研究室では、大学院での教育において専門知識だけでなく日々の生活で活用できる実践的なスキルを教えていきたいと考えています。多くの学生にとって、大学院で学んだ専門知識のほとんどは卒業後に利用されませんが、仮説の生成や論理的思考といった科学的な態度は社会人としての合理的な意思決定に役立つと考えています。特に、大学院およびそれ以降のキャリアでは、問題を解く方法を知るだけでなく、解く価値のある問題を見つけることが非常に重要です。ビジネスであろうとサイエンスであろうと本当に優れた知的生産には共通する手法が存在することを具体例と共に伝えていきます。こうした科学的思考の教育に取り組むと共に、生物学への深い興味・関心を呼び起こし、創造性や好奇心を育んでいくことを目指します。

その他、研究室での過ごし方についてよくある質問についてはLaboratory Q&Aを参考にしてください。

研究室の普段の雰囲気を感じたい方は、ページ下部に遠藤研[非公式]Twitterへのリンクがあります。

概日時計と運命決定

概日時計はもともと細胞分裂を制御するために獲得されてきたと考えられています。藻類や動物では概日時計が細胞分裂周期あるいはそれに伴う細胞運命決定を制御していることが示されていますが、植物では未だ多くの点が未解明です。私たちは1細胞解析系を用いてこの問題に取り組んでいます。

この研究により、私たちは植物の概日時計の理解だけでなく、動植物を超えた細胞運命決定メカニズムにまで迫ります。さらに、1細胞トランクリプトーム解析のための新しいアルゴリズムと解析パイプラインにより、オミクス研究の世界を変えます。

時間情報の共有機構

動物では血管や神経を介して時間情報を共有しています。植物では維管束系を介した時間情報の共有が想定されているものの、その分子実体や詳細なメカニズムは不明のままです。私たち「情報としての栄養」に着目し、地上物と地下部の間での時間情報伝達の仕組みを解き明かそうとしています。

この研究により、私たちは植物が1つの個体としてどのように時間を測っているのかを明らかにします。これにより、その他多くの生理応答を支える概日リズムの頑健性についての理解を深めます。

光周性の理解と制御

季節に応じた花芽形成(光周性花成)は概日時計によって制御される生理応答の代表です。植物がどのように日長や気温を認識し利用しているかを理解することで、植物の季節認識を人為的に操るることを目指します。これによって、概日時計を農業応用に利用する道筋をつけます。

この研究によって外的符合モデルの見直しに迫ります。このことは、光周性研究の新たな扉を開くものとなると考えられます。また、植物の季節認識メカニズムの理解も光周性花成の理解に大きな貢献をすると期待しています。