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出村 拓 (Ph.D.)

役職教授
学歴平成7年3月 東北大学大学院理学研究科生物学専攻博士課程後期課程修了
平成7年3月 博士号取得、博士(理学)
職歴平成7年4月1日 東北大学大学院理学研究科助手
平成9年3月1日 東京大学大学院理学系研究科附属植物園助手
平成11年4月16日 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻助手
平成12年10月1日より 理化学研究所植物科学研究センター・チームリーダー
平成18年4月2日より 名古屋大学大学院生命農学研究科客員教授
平成20年12月1日より 横浜市立大学国際総合科学研究科客員教授
平成21年5月1日より  現職
専門分野植物生理学
植物分子生物学
細胞生物学
樹木バイオテクノロジー
研究活動歴平成元年4月~平成7年3月 
東北大学・福田裕穂教授(現東京大学教授)研究室にて学部学生・大学院生として植物細胞(維管束木部道管)の分化過程で発現する遺伝子の同定を進めた。
平成7年4月~平成12年9月 
東北大学および東京大学にて助手として植物細胞の分化に関わる遺伝子の探索を進めるとともに、研究室所属の大学院生の研究指導を行った。
平成12年10月~平成21年4月 
理化学研究所植物科学研究センターにてチームリーダーとして植物細胞の分化のしくみについてマイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行い、分化に関わる多数の遺伝子を同定した。また、その研究成果をもとに日本における樹木バイオロジー研究の基礎作りを進めた。
関連分野における活動木部細胞分化の分子メカニズムの解明は将来の植物バイオマスの利活用増進において大変重要な課題となっている。応募者は独自の実験系をもとにした研究を行うことで、常に木部細胞分化の研究分野に強い影響を与えてきた。とくに、トランスクリプトーム解析の結果は、細胞壁研究と樹木バイオテクノロジー研究などの関連研究分野に強いインパクトを与えてきた。実際に、ここ数年間に応募者は植物細胞壁と樹木バイオテクノロジーに関する国際学会等(Gordon Conference, Cell Wall Meeting, IUFRO Tree Biotechnology Meeting)での招待講演者やScientific Committeeに選ばれている。国内では、若手・中堅の細胞壁研究者の連携を深めるために「細胞壁研究者ネットワーク」を立ち上げ、2年間にわたって定例研究会を開催するなど、日本における細胞壁研究分野に貢献している。
本学での今後の研究活動計画と展望1.木部細胞分化の分子メカニズム
(1)転写ネットワークの解明
 これまでの研究によって同定した木部細胞分化特異的に発現する多数の転写因子の機能解析を通して、木部細胞分化における転写ネットワークを解明する。
(2)二次細胞壁形成機構の解明
 植物細胞壁の主要な構成成分であるセルロースは地球上に最も豊富に存在する炭水化物である。しかしながら、意外なことにセルロースの合成メカニズムについて分かっていることは非常に限定的であり、古くから提唱されているセルロース合成酵素複合体にセルロース合成酵素サブユニット(CesAタンパク質)以外にどのようなタンパク質が含まれているのか不明である。また、二次細胞壁に特徴的に含まれるヘミセルロースであるキシロースの合成に関わる酵素もいまだ同定されていない。本学ではこの疑問にチャレンジしたい。
(3)新奇な木部細胞分化の制御因子の探索
 VND7-VP16の発現誘導系を導入した形質転換シロイヌナズナは誘導によって植物体全体で木部細胞分化が起こるため致死に至る。これを利用して、サプレッサー突然変異体の作出を始めている。すでに数10ラインの変異体を同定しており、本学ではこの変異体をもとにした新奇な木部細胞分化の制御因子を探索する。

2.樹木バイオテクノロジー研究
(1)国際連携
これまでに進めてきたGMポプラの実用化に向けた国際連携を継続する。筑波大学遺伝子実験センター・渡邉和男教授との共同研究で、アジア各地にGM樹木(東南アジアにおいてはアカシア・ユーカリ、中国においてはポプラ)の研究拠点を設立することを目標にする。
(2)早生樹木のエネルギー利用に向けたバイオテクノロジー
(3)日本における樹木バイオテクノロジー研究の普及