セミナー情報

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微小管内タンパク質MIPsによる軸糸ダブレット微小管の安定化機構

演題 微小管内タンパク質MIPsによる軸糸ダブレット微小管の安定化機構
講演者 市川 宗厳 博士(日本学術振興会海外特別研究員 (McGill大学Bui研究室) )
使用言語 日本語
日時 平成31年1月17日(木曜日) 10:30~11:15
場所 大セミナー室 (C109)
内容
  繊毛・鞭毛は真核細胞の表面から伸びているオルガネラであり、中心対微小管を9本のダブレット微小管が取り囲んだ軸糸9+2構造をとっている。繊毛・鞭毛は、繊毛虫テトラヒメナのような下等真核生物の細胞運動を担うだけでなく、ヒトのような高等真核生物の体内においても様々な重要な機能を担っている。繊毛タンパク質の異常は、ヒトにおいて多指症, 内臓逆位, 嚢胞腎, 肥満など多岐にわたる症状を引き起こすことも知られており、繊毛・鞭毛の構造を理解することは重要である。
  ダブレット微小管は、13本のプロトフィラメントからなるA小管に10本のプロトフィラメントからなるB小管が結合した構造をとっている。ダブレット微小管は、細胞内のシングレット微小管に比べて非常に安定であり、繊毛・鞭毛に機械的強度を与えている。私がクライオ電子顕微鏡法によって得た8.6 Å分解能のテトラヒメナ繊毛由来のダブレット微小管の構造解析の結果から、ダブレット微小管のチューブリン格子の内側にはMicrotubule Inner Proteins (MIPs)というタンパク質構造が網目状に結合していることが分かった(1, 2)。
  これらの結果から、MIPsはダブレット微小管の安定化に寄与していると考えられたが、MIPsによるチューブリン格子構造の安定化機構を理解するためには、より高分解能でのダブレット微小管の構造解析が必要であった。そこで、私は、ダブレット微小管の構造解析をさらに改善し、4.3 Åという近原子分解能での構造解析を達成した。本セミナーでは、ダブレット微小管の高分解能構造解析の結果から得られたその安定化機構の知見について解説を行うとともに、今後の展望についても議論する予定である。
【参考論文】
(1) Ichikawa et al., Nature Communications, 8, 15035 (2017)
(2) Ichikawa and Bui, BioEssays, 40, 1700209 (2018)
問合せ先 植物細胞機能
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)

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