NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

分子発生生物学講座の高瀬悠太さんが日本発生生物学会優秀ポスター賞を受賞

日本発生生物学会 優秀ポスター賞とは、日本発生生物学会年会のポスター発表のなかから優れた研究発表を選んで表彰するものです。

日本発生生物学会ホームページ
分子発生生物学講座(高橋研)ホームページ

受賞コメント

我々は、神経と血管の連携されたネットワークが体の中でどのように形成されているのかについて興味をもち、トリ胚をモデルとして研究をおこなってきました。今回、日本発生学会優秀ポスター賞を受賞できたことは、分子発生生物学講座の皆様の御助言・御協力や、大学から様々な支援を頂いたおかげだと考えています。今後、より一層気を引き締めて研究を進めていきたいと思います。

受賞内容

「Reciprocal interactions between neural crest cells and blood vessel formation(血管と神経堤細胞間の密接な相互作用)」

体の中を張り巡っている神経と血管のネットワークは相互に連携しており、様々な生理機能の根幹を支えています。しかし、個体発生過程において、両者の連携されたネットワークが形成されるしくみはほとんどわかっていません。今回私達は末梢神経系の前駆体である「神経堤細胞」(図)と血管ネットワークの関連性に注目しました。私達が独自に開発した解析系や遺伝子操作法を駆使して解析を行った結果、神経堤細胞と血管との間で相互にシグナルをやり取りすることで、末梢神経と血管の連携されたネットワークが形成されている可能性が見えてきました。

今後は、両者間の相互作用の分子実体を明らかにしていこうと考えています。


図 : 神経堤細胞について(体幹部横断面の模式図)。神経堤細胞(緑)は、初期発生過程においては神経管より遊出し、胚体内をダイナミックに移動する。その後、色素細胞や全ての末梢神経系を含む様々な組織へと分化していく。

(2010年07月22日掲載)

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