NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科ストレス微生物科学研究室の渡辺大輔助教が公益財団法人長瀬科学技術振興財団の平成26年度研究助成対象者に選ばれました。

 平成26年4月1日付けで、ストレス微生物科学研究室の渡辺大輔助教が公益財団法人長瀬科学技術振興財団の平成26年度研究助成対象者に選ばれました。本助成は、わが国の生化学及び有機化学等の分野における研究開発に対し助成等を行うことにより、科学技術の振興を図り、もって社会経済の発展に寄与することを目的としています。 

助成受託のコメント

 この度、長瀬科学技術振興財団の研究助成課題に採択していただきました。申請にあたり、ご指導・ご助言を賜りました高木博史教授に感謝申し上げます。本研究テーマは、留学生のIndah Wijayantiさん、Akaraphol Watcharawipasさんらが中心になって発見した新しいストレス応答現象に関するメカニズムの解明を目的としており、彼らと一丸となって研究を推進していきたいと思います。



助成受託の説明

<研究テーマ>
酵母におけるユビキチンシステムを介した有機酸ストレス応答機構の解明とその応用

<説明文>
 私たちは、真核生物において広く保存されているユビキチンシステムが、栄養環境やストレスに対する細胞応答に重要な役割を果たすことを解明してきました。そして今回、酢酸や乳酸などの有機酸によって引き起こされるストレス応答にもユビキチンシステムが関与することを新たに見出しました。そこで本研究では、その分子メカニズムを明らかにすると共に、得られた知見を応用することにより、清酒やワインの醸造など、有機酸を多く含む環境でのアルコール発酵をパワフルに進めることの出来る有用酵母菌株の育種を目指します。 

<関連する論文>

  1. C. Hoshikawa, M. Shichiri, S. Nakamori, and H. Takagi: A nonconserved Ala401 in the yeast Rsp5 ubiquitin ligase is involved in degradation of Gap1 permease and stress-induced abnormal proteins. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 100, 11505-11510 (2003).
  2. Y. Haitani, H. Shimoi, and H. Takagi: Rsp5 regulates expression of stress proteins via post-translational modification of Hsf1 and Msn4 in Saccharomyces cerevisiae. FEBS Lett., 580, 3433-3438 (2006).
  3. T. Sasaki and H. Takagi: Phosphorylation of a conserved Thr357 in yeast Nedd4-like ubiquitin ligase Rsp5 is involved in down-regulation of the general amino acid permease Gap1. Genes Cells, 18, 459-475 (2013).

(2014年04月17日掲載)

研究成果一覧へ


Share:
  • X(twitter)
  • facebook