NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科動物細胞工学研究室の土屋雄一さん(博士後期課程3年)が日本農芸化学会における若手優秀発表賞を受賞

 バイオサイエンス研究科動物細胞工学研究室の土屋雄一さん(博士後期課程3年)が、2013年12月7日に神戸大学で開催された日本農芸化学会関西支部 第482回講演会において若手優秀発表賞を受賞しました。

受賞コメント

 この度、神戸大学で行われた2013年農芸化学会関西支部:神戸例会(第482回講演会)における若手優秀発表賞を頂き大変光栄に思っております。河野憲二教授、斉藤美知子助教をはじめ、研究室のポスドク、学生、技術職員の方々のご助言、ご協力のおかげであり深く感謝しております。また、本研究を滞りなく進めることができたのも、奈良先端大の素晴らしい研究環境と支援体制であり、この場を借りてお礼申し上げたいと思っております。 

受賞時の発表内容

「インスリン産生細胞における小胞体ストレスセンサーIRE1αの機能解析」

 細胞外で働くタンパク質のおおくは、小胞体というオルガネラで合成され安定な立体構造へと折りたたまれます。細胞内外の影響により、構造異常のタンパク質が小胞体内に蓄積すると小胞体の機能が低下し細胞毒性を引き起こします。このような状態を小胞体ストレスとよびます。小胞体ストレス下で小胞体ストレスセンサーIRE1αが活性化し制御下の遺伝子群の転写誘導をおこないます。その結果、小胞体ストレスは緩和されます。
 血糖値を下げる働きをもつインスリンは、膵臓β細胞内の小胞体でつくられます。インスリン分泌異常は糖尿病発症に関与するため、膵臓β細胞でのインスリン合成能を維持する分子メカニズムを明らかにすることは重要だと考えられます。しかし、どのようにインスリン合成能が膵臓β細胞で維持されているのか、その詳細については分かっていません。本発表では、小胞体ストレスセンサーIRE1αがインスリン合成能の維持にどのように関与しているのか調べた内容を報告しました。

(2014年01月09日掲載)

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