NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

溝端 栄一 さん

  • 大阪大学工学研究科応用化学専攻 助教
  • 2000年度(修士) 分化・形態形成学

NAISTにはサイエンスを志す学生にとって、最高の環境がある!

溝端 栄一さんの近況写真

バイオサイエンス研究科の5期生として、希望に燃えて奈良先端大の門をくぐった日から、早十余年が過ぎました。 入学当時はキャンパスも校舎も実験機器もまだ新しく、それだけでわくわくしたものです。先日、久々に母校を訪れる機会がありました。今でも清新な雰囲気はほとんど変わっていませんでしたが、キャンパスの木々が少し大きくなって、大学らしい趣が出て来たことに感慨を覚えました。

NAIST時代は横田研究室に所属していました。普段は横田研の別室があった京阪奈の地球環境産業技術研究機構(RITE)に出入りして実験をしていました。プロの研究者たちと一緒に研究することは、学生の私にとって大変な刺激となりました。特に、直接研究指導をして下さった主任の先生には、研究の基礎を懇切丁寧に教えていただき、今日の財産となっています。

学生時代の研究テーマは、農作物の収穫量の向上を目指して、光合成を行うタンパク質のアミノ酸配列を色々と変えて、タンパク質の機能への影響を解析するものでした。その結果、興味深いタンパク質活性の変化が見られたので、そのタンパク質の構造を調べることにしました。共同研究していた大阪大学の研究室を横田教授に紹介していただき、博士後期課程から大阪大学に進学してX線結晶構造解析を学び、博士の学位を取得しました。その後は、横浜の理化学研究所、続いて、英国インペリアル・カレッジで研究に従事した後、昨年の春に大阪大学の研究室に戻ってきました。

現在私は、がんの再発・転移を治療する多機能な分子設計抗体の実用化に向けた、がん治療標的タンパク質とその特異的抗体との複合体のX線構造解析の研究に取り組んでいます。同時に、NAIST時代の研究テーマも継続しており、学生当時大変にお世話になった先輩で、今日、横田研のスタッフとして活躍されている蘆田先生と共同研究をさせていただいております。NAIST時代の同期とは今も付き合いがあり、中には共同研究をしている友人もいます。

昨年度、政府や民間メディアの調査で、奈良先端大の教育・研究水準が全国一位と評価されました。大変誇らしいことであり、大学創立以来の諸先生方をはじめ、同窓生たちの努力が結実した姿であると感動しました。奈良先端大には研究意欲旺盛な教員と最高の研究設備が揃っており、サイエンスを志す学生にとって、この上ない環境があります。私も奈良先端大出身の研究者の誇りを持って、頑張って参ります!

写真:英国の研究所 Diamond Light Sourceにて

【2010年07月掲載】

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